好打者・マルティネスを欲するア・リーグ球団はどこだ!?

ダイヤモンドバックスからポール・ゴールドシュミットを獲得する大型トレードを成立させたカージナルスだが、それは1人の好打者がカージナルスに居場所をなくしたことを意味する。その好打者とは、今季ナ・リーグ7位の打率.305をマークしたホゼ・マルティネスだ。一塁と外野を守ることのできるマルティネスだが、守備力に不安を抱えており、移籍するのであればア・リーグのチームがフィットするというのが一般的な見方である。マルティネス獲得を希望する可能性があるのは、ア・リーグのどの球団だろうか。

現在30歳のマルティネスは、2016年5月に金銭トレードでロイヤルズからカージナルスに加入し、同年9月にメジャーデビュー。翌2017年に106試合・307打席のみの出場ながら打率.309、14本塁打、OPS.897の好成績をマークすると、今季はさらに出場機会を増やして規定打席に到達し、打率.305、17本塁打、OPS.821をマークして前年の好成績がフロックではないことを証明した。

しかし、カージナルスの一塁にはマット・カーペンターがおり、そこにゴールドシュミットが加わったことで、「一塁・ゴールドシュミット&三塁・カーペンター」の布陣が固定されるのは確実。外野にもマーセル・オズーナ、ハリソン・ベイダー、デクスター・ファウラー、タイラー・オニールと4人のレギュラー候補がおり、「左翼・オズーナ、中堅・ベイダー、右翼・ファウラー」の布陣でシーズンを戦う可能性が高く、好打のマルティネスはポジションを失っている状態なのである。

ただし、マルティネスはまだ年俸調停権すら取得しておらず、長期にわたって保有可能であるという大きなメリットを抱えている。そのため、獲得を希望する球団が多数現れると見られている。レイズはC.J.クロンを放出して指名打者の枠が空いているし、ホワイトソックスは噂されているホゼ・アブレイユのトレードが実現すれば「3番・一塁」に大きな穴が空く。アストロズはエバン・ギャティス、マリナーズはネルソン・クルーズがフリーエージェントとなってレギュラーの指名打者が不在となっており、正一塁手を固定できないシーズンが続いているヤンキースもマルティネス獲得に興味を示す可能性がある。

ア・リーグ各球団の状況を見る限り、マルティネスに対する需要が大きいことは間違いない。カージナルスの補強ポイント(主にリリーフ投手)に見合う交換要員をオファーする球団が現れれば、トレードは実現に向けて一気に動き始めることだろう。

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