ガスリー&塚越がカート対決で勝利、恒例のカブレースではシケイン“突破”/ホンダサンクスデー2018 トピックス

 ツインリンクもてぎで12月9日に開催された『Honda Racing THANKS DAY 2018(ホンダ・レーシング・サンクスデー)』。当日は快晴ながらかなり冷え込む気候になったが、多くの四輪、二輪レースファンが駆け付け、さまざまなイベントを楽しんでいた。ここでは当日に行われたさまざまなイベントの一部をご紹介しよう。

■サンクスデーでしか見られない、豪華ドライバー/ライダーによるエキシビション

 この日、ロードコースで最初に行われたレースイベントが、ナンバー付きのホンダN-ONEによるN-ONE OWNER’S CUPのエキシビションレース、『Honda Cars CUP Honda Racing THANKS DAY スペシャルレース』だ。

 参加したプロドライバーは、F1ドライバーのピエール・ガスリー、インディカーに参戦する佐藤琢磨、今季スーパーGTと全日本スーパーフォーミュラ選手権の二冠を達成した山本尚貴、山本とともにスーパーGTを制したジェンソン・バトン、鈴鹿10時間耐久レースでホンダ・チームMOTULの監督を務めた中野信治の5名。

 国内外で活躍するトップドライバーたちがN-ONEを操り、ホンダの社内チーム17名の参戦ドライバーとともに競い合う豪華なエキシビションレースとなった。

 5周のエキシビションレースながら、プロレーサーのドライバーたちは白熱の争いを展開。サイドバイサイドの戦いなど、エキシビションとは思えないバトルをみせた。

■二輪ライダーは恒例のカブでバトル。シケイン“突破”の波乱も

 二輪レースでは、昨年も開催され大盛り上がりとなったホンダ スーパーカブによる特別レースが開催された。スーパーカブを駆ってロードコースの西コース5周を争ったのは、ロードレースライダーからダニ・ペドロサ、中上貴晶、そしてフレディ・フォレイやジョシュ・フック、高橋巧、高橋裕紀、清成龍一、水野涼。そしてオフロードライダーからはトニー・ボウ、藤波貴久、ティム・ガイザー、成田亮、小川友幸。ここにARTAメカニックのつづきのぶひこ氏が加わった全14名のライダーだ。

 長いホームストレートではスピードダウンのためのシケインが設けられていたが、全ライダーがシケインを“突破”して直進してしまい、シケインが意味をなさない状態に。

 さらに全日本モトクロス選手権に参戦する成田は“あえて”ダート部分を走るなど、ハプニングありのレースとなった。

スーパーカブによるレースは国内外のロード、オフのライダーがそろい踏み
スーパーカブをバンクさせてコーナリングするダニ・ペドロサ
ストレートではしっかりと伏せて加速。レース後、「ダニはとても速かった!」とEWCライダーのフォレイ

 昼過ぎには2018年で最後となるスーパーフォーミュラマシン、SF14によるエキシビションレース『SUPER FORMULA FINAL BATTLE(スーパーフォーミュラ ファイナルバトル)』が開催。今季チャンピオンを獲得した山本を筆頭に、野尻、松下、福住、塚越、カーティケヤン、伊沢といった7名のドライバーがSF14による最後のレースを見せた。

 SF14によるファイナルバトルのあと、来季のスーパーフォーミュラマシン、SF19のデモランが実施された。ファイナルバトルでトップチェッカーを受けピットロードに戻ってきた2018年王者の山本が、SF14を降りると横に控えるSF19に乗り込む。そのままコースインし、次世代のスーパーフォーミュラマシンを走らせた。

SF14によるファイナルバトル
ダブルタイトルホルダー、山本がレースをリード
レース後、山本はSF14からSF19に乗り替えてデモランを行った

 四輪ドライバー、二輪ライダーが混走する『Honda Racing 2&4 パフォーマンス』では、国内外のトップドライバー、ライダーがロードコースとスーパースピードウェイを走行。F1ドライバーのガスリーが全日本ライダーの水野涼の背後につけてF1マシンとJSB1000マシンが“ランデブー”走行を行う一幕も。ホンダサンクスデーならではの夢の競演となった。

F1、スーパーGT、スーパーフォーミュラ、MotoGP、EWC、MotoGPマシンが同時にロードコースを周回
ロードコースからオーバルコースに出てトロロッソ・ホンダSTR13を走らせるガスリー
ホンダNSX GT3を走らせたのは中嶋大祐
走行後に言葉を交わすガスリーとペドロサ。ドライバー、ライダーの交流が見られるのもホンダサンクスデーの魅力のひとつだ

■ガスリー、ペドロサ登場のトークショーも開催

 中央エントランスでは、特設ステージでトークショーが開催。F1ドライバーのガスリーによるトークショーでは大勢のファンが詰めかけていた。

来季、レッドブル・ホンダに移籍するガスリー。このイベントでは多くのプログラムに参加してファンを楽しませた

 MotoGPライダートークショーでは、今季限りで現役を退いたペドロサ、MotoGPルーキーイヤーを戦い抜いた中上が登場。今季限りで引退したペドロサのフラッグを立てるファンもいた。

 トークショーのなかで、MotoGPルーキーの中上にアドバイスを求められたペドロサが、「彼はテストでトップタイムを出しているし(11月下旬のMotoGPへレステストで、中上はトップタイムをマーク)、もう僕がアドバイスすることはないんじゃないかな」とコメントするシーンも。

「オハヨウ」と日本のファンに挨拶したペドロサ。「日本のファンの愛を感じていたよ」と、これまで日本に訪れたときの思い出を振り返った
「来年もMotoGPクラスに、LCRホンダ・イデミツから参戦します。応援よろしくお願いします」と中上は来季に向けた決意を語った
フラッグを立ててペドロサにアピールするファンの姿もあった

■車両展示、ファンサービスで盛り上がったホンダサンクスデー

 エキシビションレースやトークショーとともに、ホンダ・レーシング・サンクスデーで開催されたイベントを紹介しよう。

 パドック内には四輪、二輪の車両が展示。さらにエンジン暖気のパフォーマンスも行われ、多くのファンが興味深そうに眺めていた。また、ドライバーによるサイン会も行われるなど、ドライバー、ライダーたちは詰めかけたたくさんのファンたちとの交流を楽しんだ。

ウイナーズランからセレモニーに向かう際には、各ドライバー、ライダーがファンとタッチしたり、サインに応じたりと交流した
Moduloのステージではトークショーが開催。大津選手、小林選手が登場した
グランドスタンドプラザでは各ブース出展も。桜井ホンダのブースでは、全日本ライダーの濱原颯道がサイン会を実施
レッドブル・トロロッソ・ホンダのSTR13プロトタイプ記念撮影ブース。なんと30分待ちという長蛇の列が
レッドブル・トロロッソ・ホンダのSTR13プロトタイプのエンジン
99のゼッケンをつけたホンダNSX-GT
山本尚貴がドライブしたSF19
F.C.C TSRホンダ・フランスが獲得した、EWCタイトル、優勝トロフィー
今季のMotoGPチャンピオン、マルク・マルケスのホンダRC213V
バイクの暖気パフォーマンスも
ホンダのピットに並ぶペドロサ、中上、高橋巧のゼッケンをつけたバイクたち
F1ドライバー、ピエール・ガスリーが操るホンダN-ONE
山本尚貴が駆るホンダN-ONE
ジェンソン・バトンもN-ONEでバトルを展開
レースを終えて談笑するガスリーとバトン
カート対決を繰り広げる国内外のトップドライバー
ピエール・ガスリーはカートでも華麗なドライビングテクニックで魅せる

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