改名は好成績のきっかけとなるか? 近年、登録名を変更した選手たちは…

日本ハム移籍を機に登録名を変更する金子弌大【写真:石川加奈子】

ハムの金子弌大は移籍を機に「千尋」から改名

 オリックスから自由契約となり日本ハムへの入団が決まった金子弌大投手。10日に札幌市内のホテルで行われた入団会見では移籍に伴い、登録名をオリックス時代の「金子千尋」から「金子弌大」に変更することを発表した。

 かつてイチローが1994年開幕前に「鈴木一朗」から登録名を変更し、プロ野球界史上初となるシーズン200安打を達成。当時の日本プロ野球記録となる210安打を記録した。登録名変更は成績に直結するのか?近年のプロ野球界で登録名変更した選手の変更前成績、変更初年度の活躍ぶりを振り返ってみたい。

○中島宏之 ※変更前は中島裕之 2016年シーズンから

 2015年11月27日に「中島裕之」から「中島宏之」に登録名変更。オリックス1年目で変更前年の15年は117試合に出場し、打率.240、100安打、10本塁打、46打点だった。変更1年目の16年は4月に右ふくらはぎを痛めたこともあって思うように成績が伸びず、5月28日の西武戦で通算1500安打をマークしたものの、96試合に出場し、打率.290、91安打、8本塁打、47打点だった。

○亀井善行 ※変更前は亀井義行 2013年シーズンから

 2013年1月7日に亀井義行から亀井善行に登録名変更。12年は度重なる故障に苦しみ、60試合出場、打率.239、26安打、2本塁打、11打点だったが、変更初年度の13年は86試合に出場し、打率.257、3本塁打、25打点を記録。キャンプ序盤で左ふくらはぎを肉離れしたものの、5月上旬に1軍復帰してリーグ2連覇に貢献した。

○今江年晶 ※変更前は今江敏晃 2017年シーズンから

 2016年11月17日に「今江敏晃」から「今江年晶」に登録名変更。16年は前半戦中の死球による左尺骨の骨挫傷や打撃不振などで2度戦列を離れ、89試合出場、打率.281、89安打、3本塁打、23打点だった。変更初年度の17年は開幕から打撃好調だったものの、7月27日のソフトバンク戦の守備中に左尺骨骨幹部を骨折。51試合出場し、打率.250、1本塁打、10打点だった。

登録名変更により飛躍したソフトバンク・甲斐拓也【写真:藤浦一都】

甲斐は「拓也」から本名に戻しブレーク オリ駿太も今季から本名に

○甲斐拓也 ※変更前は拓也 2017年シーズンから

 2017年、「拓也」から本名の「甲斐拓也」に登録名変更。改名前年の16年は開幕1軍を逃したものの、6月16日のヤクルト戦でプロ初安打初打点をマーク。3番手捕手として13試合出場し、打率.167、0本塁打、1打点だったが、17年には開幕1軍を勝ち取り、5月2日の西武戦でプロ初アーチとなる逆転満塁弾。103試合出場し、打率.232、48安打、5本塁打、18打点。持ち前の強肩でも盗塁阻止率.324を記録し、飛躍のシーズンとなった。

○後藤駿太 ※変更前は駿太 2018年シーズンから

 2018年シーズン、「駿太」から「後藤駿太」に登録名変更。17年は7年連続で開幕1軍スタートし、打率.240、2本塁打、27打点、4盗塁だったが、18年は失速。開幕2軍スタートとなり、33試合出場、打率.216、8安打、0本塁打、4打点、2盗塁と奮わなかった。

 今季限りで現役引退し、来季から楽天2軍打撃コーチを務める後藤武敏は15年から毎年のように登録名を変更。「後藤武敏G」→「後藤 G 武敏」→「G.後藤武敏」→「G 後藤武敏」と変えてきた。

 金子千尋は「新たな金子弌大をプロ野球ファン、そして北海道のファイターズファンの皆さんに見せていきたいという思いと、今回新しいチームでやっていくということで、また一からスタートという風に思っていますので、これを期に変えさせていただくようお願いしました」と説明した。今季17試合登板し、4勝7敗、防御率3.78と不振。登録名変更初年度となる19年シーズンはリーグMVP&沢村賞を輝いた14年のような輝きを取り戻すことができるだろうか。(Full-Count編集部)

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