長崎証言の会 50周年誌来年発刊

 被爆証言の掘り起こしと記録に取り組む「長崎の証言の会」(代表委員、内田伯(つかさ)さんら2人)は15日、長崎市内で総会を開き、被爆証言誌の創刊50周年となる来年、証言運動の歴史を振り返る記念誌を発刊する方針を決めた。同会の取り組みを記録に残し、証言運動の継承につなげたい考え。

 長崎の証言の会は1969年に「長崎の証言刊行委員会」として発足。以来、年刊や季刊で75冊以上の証言集を発行。約2千人の証言を収集した。

 総会には25人が参加。創刊50年の節目に合わせて、年刊の被爆証言誌とは別に記念誌を作成する方針を決めた。具体的な中身は今後詰める。山口響編集長(42)は「記念誌では戦後史に焦点を当て、市民の被爆後の生活や証言運動の歴史を記す」と話した。

 長崎の証言の会の中心を担った故鎌田定夫さんの遺品から今年発見されたノートや、約50年前の被爆者調査票などの資料分析を進める方針も決めた。

50周年記念誌の発刊を決めた長崎の証言の会の総会=長崎市岡町、長崎原爆被災者協議会講堂

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