ギターウルフ「 『LOVE&JETT』、それはLOVEを知って細胞がJETTになる究極のビッグバン!」

ギターウルフは原宿生まれの原宿育ち

──『LOVE&JETT』、遂にリリースですね。おめでとうございます!

セイジ:ありがとう! やっと出せたよ。

──今日は原宿でインタビューさせていただいてますが、セイジさん、原宿でバイトしてたことがあるんですよね?

セイジ:原宿はね、50'sのスーパージャンクって店があって。原宿駅前のテントに古着とか古い革ジャンを出してて、古い服は寅さんみたいな(笑)。そこでバイトしてたんだよ。

──今もライブに原宿っぽいイカした兄さんたちが来てるじゃないですか。その頃からの仲間?

セイジ:うん。そうだね。原宿で出会った連中。

──いいですね。ずっと観に来てる。

セイジ:あの頃はみんなツッパッてて、けっこうバチバチし合いながらも仲間になりたいなって思って。

──セイジさんが?

セイジ:たぶんみんなが。お互い意識して。ツッパッてたからケンカになるのかなって思いながらバチバチし合って。でもある時、10人ぐらいで飲みに行ったんだ、ビリーもいた。みんなで自己紹介したら、ビリー以外はみんな同級生で! みんなタメ。その時の感動は今も続いてる(笑)。

──私も同級生だ(笑)。

セイジ:あ、そうでしたね。

──私が最初にギターウルフを観たのは、今はなき代チョコ(代々木チョコレートシティ)でした。

セイジ:おおー、超初期! ドラム、前のドラムの頃でしょ。

──いや、トオルさんでしたよ。今は円盤の田口史人さんがギターウルフが凄いって何かに書いていて。そのライブが田口さん企画かどうかは忘れたけど…。

セイジ:ああ、じゃ、ドラムはクラちゃん(トオル)だ。でもかなり初期だね!

──だからギターウルフって実は凄く間口が広い。原宿の50's好きから、アンダーグラウンド、ハードコア、ノイズ、もちろんパンクスもギターウルフは大好きだろうし。

セイジ:(照れる)

──で、いよいよ新作が発売。

セイジ:やっとね。またまたいい曲を作ってしまって(笑)。

──今日は原宿で取材だからじゃないけど、なんか原宿っぽいというか。待ち合わせが吉野家の前だったから(笑)、改札を出て竹下通りと吉野家が目の前にバーンって現れた時のガビーンとした感じが今作に似てる(笑)。

セイジ:ギターウルフが原宿生まれの原宿育ちだからかな。でもね、吉野家は俺がいた頃はまだなくて、俺が原宿離れた直後ぐらいに現れて。びっくりして。マジかよ! って。吉野家が悪いってわけじゃないけど、俺の街に吉野家来るなよ! って。竹下通りの途中ならまだいいけど、駅の目の前にいきなりかよ! って(笑)。

──でもびっくりしちゃう感じはギターウルフに近いです(笑)。今作、LOVEのアルバムであると同時に街なんだと思ったんですよ。ストリートのアルバム。

セイジ:ああ、そうですか!

──原宿の駅を降りたら、今作と街の景色がバシッと合って。

セイジ:なるほど! それは良かった。

──で、今作に至るまでメンバー・チェンジがありました。ここまでの経緯を。

セイジ:U.Gが辞めてから募集かけて。150人ぐらい来たのかな。U.Gが辞めてからの2年間はなかなかエキサイティングな期間で、すぐにメンバー見つけなきゃいけないし、直後には長いアメリカ・ツアーが控えてるという。

──新しいメンバーが決まったらすぐにアメリカ・ツアー。不安はなかったですか?

セイジ:なかったです。新しいメンバーとでも、1カ月ぐらいツアーやるとメンバーになっていくんで。自分はじっくりタイプではないので。荒海の中に一緒に飛び込んでいくタイプなので。

── 一緒に飛び込める人。

セイジ:そうだね。一緒に飛び込んでメンバーになれる人。ただね、前のヒカルはナイスガイだったけど、けっこう大変だなと自分で思ったんじゃないかな。ここで辞めたらダサいと言われるのも覚悟の上で、辞めるなら早めにって思ったんだと、俺は思うんだ。ギターウルフのために。

──ツアーは過酷でしょうしね。

セイジ:俺たちは20年以上やってるから過酷とは思わないけど。対処の仕方、身のかわし方をわかってるから。だけど入ったばかりだとキツイかもしれないね。

──そしてゴッツさんがメンバーに。

セイジ:ゴッツは、実を言うとU.Gが辞めて応募してきた150人ぐらいの中の一人で。最後まで残った一人で。ゴッツに連絡して、奴は岩手に住んでて岩手まで会いに行って。「やります!」って言った。ヨーロッパ・ツアーまで2カ月ぐらいしかなかったけど、仕事畳んで出てきて、1カ月の間に練習してツアーに出て。

──うわー、過酷でしたね。

セイジ:俺たちは別に(笑)。俺たちは面白かった。

──ゴッツさんも過酷を乗り越えて。ゴッツさんのベース、また違う感じで。

セイジ:違うかな?

──メロディをブイブイ弾くじゃないですか。

セイジ:おお、素晴らしいね。なかなか暴れん坊ですしね、ステージも。

──ツアーはどうでした?

セイジ:ゴッツはギターウルフとしてバッチリだったね。海外ツアーも初めてで、デカいライブハウスも初めてで。2日目がオランダのデカいフェスだったんですよ。「こんなデカいとこでやるの初めてです」って言って逆に燃えてた。

──アルバムもイケル! って。

セイジ:そうだね。ゴッツの雰囲気がジャガーっぽくて(笑)。それでインスピレーション受けて「SEXジャガー」ができたし。新しいメンバーからはインスピレーションをいっぱいもらえるね。

自分でキュンとするような曲を書いたのは初めて

──改めて、今作はLOVEのアルバムで。

セイジ:愛とか青春とかバイクとか。そういうのが中心だから、自分の曲は。「LOVE&JETT」みたいな、自分でキュンとするような曲を書いたのは初めてで。実話だし。初めて恋っていうものを…。初恋みたいなもので。初めて女の子を好きになった時って、なんだろう? この感情は! っていう。それまでも人を好きになったことはあったけど、本気で好きになった時にすべての世界がチェンジした。細胞がJETTになった。LOVEを知ったことによって、自分の体、自分の世界がJETTになった瞬間。それが「LOVE&JETT」なんだ。初恋なんて言うのは恥ずかしいけどね。いま初めて言った。

──初恋ってワードを(笑)。

セイジ:ついつい言ってしまった。油断したなぁ(笑)。

──ポップでメロディアスに突っ走っていくナンバー。歌詞にはホントに初めて出てくる言葉もありますもんね。「まだまだ強くない」とか。

セイジ:うん、そうだね。

──セイジさんからそんな言葉が出てくるのは意外だったけど、凄くキュンときました。

セイジ:最初、どうしようかなぁって。20歳ぐらいのガキだったら逆に出せなかったかも、照れて。

──初恋の曲もノスタルジックじゃなく、まるで昨日のことのよう、今のことのようですよね。

セイジ:もちろん。それが自分の原点になってるんだし。LOVEを知ることによって自分の細胞がJETTになる瞬間。それが今でも流れ星みたいにジェーーーッと体の中を巡っていて、あの瞬間から自分の中で何か変わった、それ以前とそれ以後では全然違う世界になった。変わったー! ってことを表した曲です。

──たとえば、パンクロックを聴いた瞬間、世界が変わったっていうのとは…。

セイジ:もちろんそれもあるけど。リンク・レイを初めて聴いた時とか、いろんなその時々の感動を歌にしてるんだけど、今回は人生最大の究極のビッグバーン!

──それは今も続いていて。

セイジ:「SFのガキ」の頭にドクンドクンドクンって流れてるのは自分の心臓の音なんだよ。ホントの心臓の音。聴診器に小型マイクを入れて録った。

──まさに今現在の心臓、今現在の鼓動の高まりなんですね。この曲も街が背景にありますよね。

セイジ:『AKIRA』みたいな世界。

──うんうん。何度も言うけど今作は、LOVE、愛、あと街のアルバムだと。スケール感や破壊力は変わらずありながら、より焦点が定められて、より近くにいるアルバムで。だからゾクゾクする。前は信長が出てきたりしたけど(笑)。今回はグイッと「今」のイメージというか。

セイジ:なるほど!

──最初にできた曲は?

セイジ:「LOVE&JETT」。その次が「SEXジャガー」かな。最後にできたのが「まゆみアンタッチャブル」。

──まゆみは1曲目の「LOVE&JETT」と同じ人かなと。

セイジ:いや、違う女の子。中学、高校生ぐらいの頃は、いろんな女の子を好きになっていい時期なんじゃないかな(笑)。まゆみは凄く美人で。美人とぶつかった記憶が凄く残ってるんです。美人の髪の毛が口に入っちゃって。同級生は、髪の毛って汚いんだぞー! って言ってたんだけど、俺は嬉しかったんだな(笑)。

──まゆみさん、よっぽど美人だったんですね(笑)。で、「SEXジャガー」はボーカルもゴッツさん。

セイジ:ゴッツに唄わせようと最初から思ってました。ゴッツがジャガーっぽいからインスピレーションを受けて作った曲だし。

──ゴッツさんはスペンサー・デイヴィス・グループのカバーで「GIMME SOME LOVIN'」も唄ってます。

セイジ:ゴッツが奥州でバンドやってた頃にカバーしてた曲だって言って。

──欧州? 奥州か(笑)。

セイジ:あいつに、カバーやらないか? って聞いたら、「GIMME SOME LOVIN'」やってたって言って。偶然、「GIMME SOME LOVIN'」はギターウルフを組んで初めてやったライブの1曲目で。

──えー、凄い偶然!

セイジ:自分も大好きな曲で。

──スペンサー・デイヴィス・グループはブリティッシュの中ではかなり黒っぽいサウンドで。

セイジ:ストーンズとかその頃の。オーティスみたいな感じもあって、黒かったよね。自分も30年ぶりにこの曲をやれて嬉しかったな。

──当時もここに入ってるようなグイグイとスピード感あるサウンドで?

セイジ:いや、当時はこんなに速くなかった。今のほうがギターウルフです。ゴッツのボーカルもギターウルフだし。

人間はもっと機械に対して愛を持てる

──「アウストラロピテクススパーク」もラブソングですよね。

セイジ:ラブソングです。

──私、最初はアウストラロピテクスは女の子の比喩だと思ったんです。好きな女の子のことを唄ってるんだと。でもそうじゃなく、アウストラロピテクスそのものを思って、そのものを唄ってるんだと。

セイジ:もちろんです! 原人が現れたのが800万年前。100万年前には今の人間に近い形の人類が現れた。それがアウストラロピテクスだったりするんだけど。たぶん、思考とかは同じだったんじゃないかな。今の俺たちには文化的な生活があるけど、100万年前の洞窟でも同じような青春があったんじゃないかと。

──あの子を好きになっちゃったりとか。

セイジ:うん。あっただろうなって。それでいろんなものに出会って。たとえば愛とかLOVEとか、マンモスとかサーベルタイガーとか。いろんなものに出会って細胞がJETTになって、どんどんどんどんスパークしていく。俺の人生もいろんな人やいろんなものに出会ってスパークしてきたように、100万年前もあっただろうなって。

──アウストラロピテクスがマンモスと出会ったように、セイジさんの人生も、マンモスに値するようなものと出会ってきた。

セイジ:うん。そうなんだよ! いま話しながらそういうことか! って思った(笑)。

──いま思ったんですか(笑)。曲を作ることって、自分が予想してないことがどんどん表れることも…?

セイジ:あります。それが曲を作る楽しみのひとつでもあるし。

──今作と繋がると思うけど、前々作『野獣バイブレーター』の時に別誌でインタビューさせていただいて。惑星探査機「はやぶさ」の話が凄く印象的で。

セイジ:ああ、小惑星の土を取って戻ってくるっていう。テレビのニュースでずいぶん出たし、映画にもなった。宇宙に行ったはやぶさは、途中で通信が切れてさ。宇宙で通信が途絶えたら二度と戻ってこないだろうってみんな諦めてたんだけど、ある科学者が実は回路を別に仕込んでた。ある日、ピカッて電波が入ってきた。「なんだこれは! はやぶさだ!」って。はやぶさは満身創痍で地球に戻ってくるんだけど、はやぶさをテレビで見ながら、「がんばれ! 寂しくないか? 寒くないか?」って(笑)。

──はやぶさに「寒くないか?」(笑)。

セイジ:そう。ただの機械にだよ! 機械に対して応援してる気持ちを感じた時に、将来、人間はロボットとも恋愛や結婚ができるかもって。今まで俺もバイクとかギターとかには愛着を持ってたけど、はやぶさはそれを一段上に持ちあげた。人間はモノを愛することができる段階まで行けるなって。はやぶさでそれが証明されたなって。最後、朝方、はやぶさが地球に突入してビューって光になった時、涙出たもんね(笑)。

──うん。それは偏愛的なことではなく、人間はもっと愛を持つことができるっていう…。

セイジ:そう。もっともっと愛を持つことができる、もっともっと愛を持ってるはずって確信したんだ。まぁ、はやぶさのことは忘れてたけど(笑)。

──「アウストラロピテクススパーク」にも、アウストラロピテクスへの愛を感じます(笑)。そこから「バッテラ惑星」の流れが凄く良くて。太古から宇宙、アウストラロピテクスがそのまま宇宙に行って、でもそこは大阪だった(笑)。

セイジ:その曲は単にツアー中、大阪でライブの前日、俺、飲んだ後は異常にバッテラを食いたくなる習性があって(笑)。それで歩きまわったんだけどバッテラがなくて。マジかよ! って(笑)。

──これも街の曲ですもんね。ホントの街だか架空な街だか、わけわかんないスケール感(笑)。で、音がいいんですよ。ホントにズシズシグイグイ彷徨ってる感じで。今回、エンジニアは?

セイジ:南石(聡巳)くん。

──あ、前作『ティラノザウルス四畳半』に続き。でもまた音が違う感じがしました。

セイジ:曲の雰囲気が音を左右するとこはあるからね。

──破壊力のある音だけど、言い方が難しいけどボワンというかドカンというか。アナログ感があるような。

セイジ:アナログ感は目指してます。ホントはアナログで録りたいぐらい。

──ストリートのリアリティを感じて。

セイジ:おお、そうですか!

──次はイントロのギターでグッと泣かせるマイナー調の「パリのスケバン」。

セイジ:パリが好きなんです。孤独な、でもなんか威厳のある、そういう人たちがいて。いるような気がして。日本人で頑張ってる女の子たちもいて。パリで気合入れて頑張ってて、寒いし、日本に帰ればいいのにって(笑)。そういう女の人たちがいる雰囲気をパリに感じて。モデルの人はいるんだけど。スケバンだったかどうかは知らないけど。長いスカート穿いてたかどうかは。

──パリに一人でいる孤独な女性かもしれないけど、でもビシっと立ってる感じがカッコイイ。

セイジ:そうそう。そういう感じ。ビシッと。辛いとか寂しいとかじゃなく、もう、固めてるっていうか。実際、カッコイイ人だよ。

常に「今に見てろ!」と思ってる

──女の私としては嬉しかったです。応援歌にも感じて。スケバン、カッコイイし。あと「ボーリングIN高田馬場」って凄いタイトル(笑)。

セイジ:東京に出てきて最初に住んでたとこからすぐに高田馬場に引っ越して。三畳の部屋に。友だちも誰もいなくて、もちろん彼女もいなくて。あんまり暇で一人でボーリング行って。ボーリングって友だちとか家族と行くものだと思ってたから、一人でボーリング行ったのが凄い衝撃で。

──自分で行ったのに自分で衝撃(笑)。

セイジ:こんなに俺は暇なのか! って(笑)。その衝撃で思いついた曲(笑)。曲の内容はどんどんどんどん飛んでったけど。びっくりした、一人でボーリング行ったことに(笑)。俺には誰もいないんだ! ってびっくりした(笑)。

──さっきの原宿の仲間に出会う前のことで。

セイジ:出会う前ですね。

──「ティラノザウルス四畳半」もそうですけど、東京に出てきて一人で悶々としつつも突き破ろうと戦う姿が…。

セイジ:あ、「ティラノザウルス四畳半」も高田馬場の頃を唄った曲ですね。四畳半って唄ってるけど、ホントは三畳(笑)。

──アルバムの中に必ずと言っていいほど、まだ自分のことを誰も知らない時代の歌、東京に出てきて、今に見てろ! って感じの曲がありますよね。

セイジ:常にあります。常に今に見てろ! って。

──ボーリングの球が太陽で、太陽を掴んでやる! っていう。

セイジ:それは適当に出てきた歌詞です(笑)。ちょっと卑猥な感じもあるし。

──ああ、そのへんブルースですね。

セイジ:そうそう。ブルースはそうだね。卑猥だよね。自分はブルース系なので(笑)。

──東京に出てきたっていうのは、もちろん人生の中の大きな出来事で。

セイジ:東京はデカかったですね。妙子さん、出身はどこですか?

──千葉です。

セイジ:『今日から俺は!!』だ! 面白かったなぁ、アレは。じゃ、ヤンキーだね。長いスカート似合いそうだもんね(笑)。

──だから「パリのスケバン」にグッときたのかしら(笑)。初恋で世界がチェンジしたわけだけど、東京は、東京に出てきたら自分で世界を変えなきゃならないですよね。

セイジ:東京にはね、自信をバサーって切られた、ズタズタにされたような。楽しかったんですけどね。でもなんかもう、田舎モンっていう感じのセンスを思いきりバカにされた。バカにされたわけじゃないけど、叩きのめされた。

──それでも自分自身を貫き通した?

セイジ:いや。田舎モン根性をメキメキ出すのは、何も自分に身についてないのにメキメキ出すのはできない、逆にカッコ悪い。だから何かを得るために、カッコイイ何かを知りたくて知りたくて、探しまわってたどり着いたのが原宿。いま思えばみんな田舎者でダサいのに、頑張ってカッコイイ服着てさ。原宿で出会った連中とは、革ジャン着てカッコイイ服着てるけど、中身は焦ってカッコイイものを見つけようと必死だなって、きっとお互いそんなふうに見ていて。とにかくダサかったんだよ。自分がダサい人間だと思わないと、カッコ良くなりたいっていう欲望は出てこないんじゃないかな。カッコ良くなりたいっていう欲望が常にあった。で、いろんな知識ってのは大事で、古着の知識とか。たとえばリーバイス505、501、深く知るようになって、知識に裏打ちされたものがあると自信を持って話せるようになる。原宿っていうのは、コレがカッコイイんだ、コレはカッコ良くないんだって基準をくれた街。土台ができたら田舎者根性パワーがメキメキと出てきた。そしてロケットみたいにビューッて飛んで、飛び続けて今に至る。

──初めてそういう話を聞きました。セイジさんって、もう最初から迷いなく突き進んできたと思ってたんですけど、叩きのめされて、自分はダサいと思って、そこからどんどんいろんなことを得て。

セイジ:迷いなく突き進んでいくんだけど、ダセェな、ダセェなってとこに何度も何度もぶち当たって、ようやく本当にカッコイイのはコレだ! って教えてくれたのが、この街です。原宿の街。

──今日のインタビュー、原宿で良かった。セイジさんの原点で、セイジさんの新しい顔を知れた気がする。いいですよね、そんな原宿の頃からの仲間がライブに来ていて。

セイジ:うん。でも20年ぐらい前はライブでケンカもあって面白かったけど、みんなもういいおっさんで(笑)。

──今の話で、「LOVE&JETT」の「まだまだ強くない」って歌詞がさらに伝わってきます。じゃ、改めて今作で感じてほしいことって?

セイジ:LOVEを知ることによって、人生がスパークすること。いろんな人に出会ってデカい衝撃を受けたり、困難なことにぶち当たったり、そのたびにスパークしていくってこと。それを感じてほしいです。でも一番はノレるアルバムだってことです。

──ジェットロックンロールなアルバムです!

セイジ:ありがとうございます!

──ツアーもすぐスタートですね。初日はビリーさんの地元の群馬県館林。ビリー墓参りツアーをやるそうで。

セイジ:初日はいつもビリーの故郷からなんだけど、今回はお墓参りもファンの人と行こうかなって企画を立てて。募集中です。定員になり次第締め切ります。

──自主レーベルも立ち上げたんですね。

セイジ:メジャーのレーベルだと海外のレーベルとなかなか契約できなくて。ギターウルフレコードを立ち上げたことによって、アメリカのThird Man Recordsとの契約を進めてるとこです。で、国内ツアーの後、すぐに海外ツアーへ行きます!

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