大村・東彼 区間賞5人 1区から独走

 10年ぶりのV奪回に向けて大村・東彼が抜群のスタートを切った。終始首位を守り、2連覇中の2位西彼・西海に6分14秒差をつける会心のたすきリレー。野口総監督(九州電通)が「他チームは失速した区間がある中、うちは取りこぼしがなかった」と振り返ったように、区間賞の5人をはじめ、11人全員が区間4位以内の走りを見せた。
 昨年に続いて1区を任された室井(陸自大村)が、思いきりのいい飛び出しで流れを呼び込んだ。号砲直後に集団から抜けだし、5キロ地点までに2位以下との差を20秒に拡大。10日に結婚式を挙げたばかりの妻、圭さんを残り1キロで見つけると「一番きつかったところで元気をもらえた」と一気にスパートした。
 続く2区平山(皇学館大)は途中、西彼・西海が擁する“箱根ランナー”江島(国学院大)に追いつかれたものの「想定通り」と慌てず、終盤引き離してトップを維持。その後は3区小柗(陸自大村)、6区村川(波佐見町役場)、8区定方(東洋大)の区間賞で独走態勢を築いた。
 レース前は「トップが見える位置で終える」(野口総監督)と踏んでいた第1日。終わってみれば大きな貯金ができていた。まだ温存している主力級の高校生、実業団選手もいる。アンカー11区を区間賞で締めた横山(近大)の静かな口調に、自信がにじんでいた。
 「このまま最後まで1位を守り抜く」

スタートから飛び出して区間賞を獲得した大村・東彼の1区室井(陸自大村)=長崎市

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