“サッリ・ボール”って何? チェルシーに批判「アザールに回しているだけ」

チェルシーのアザール photo/Getty Images

マウリツィオ・サッリが指揮したナポリや、現在指揮しているチェルシーではプレイスタイルを表現する言葉として「サッリ・ボール」というワードが使われる。サッリのサッカーの代名詞のようになっているが、チェルシーでの「サッリ・ボール」がどんなものか具体的に説明できる人は少ないのではないか。

ポゼッションをベースとした攻撃的なサッカーを志向していることは分かるが、どう機能しているかを説明するのは難しい。英『TalkSport』によると、かつて中村俊輔を指導してセルティックで大きな成功を収めたことでも有名な指揮官ゴードン・ストラカンはサッリ・ボールがどんなものか分からないと批判している。

「誰かサッリ・ボールとは何か説明してくれないか?まだ分かっていない。アンカーを置いた4-3-3で、アザールにボールを回しているだけにしか見えない。いかなる時もジョルジーニョを経由し、アザールに渡さなければならない。渡したら距離を取り、アザールが何かスペシャルなことをするのを待つんだ。彼は何度も素晴らしいプレイをしている」

ストラカンの指摘も正しいだろう。結果が出ていないことも影響しているが、サッリ・ボールなる言葉だけが流行して中身が見えづらくなっている。崩しがアザール頼みになるのはジョゼ・モウリーニョ、アントニオ・コンテらが指揮していた時と変わらない。攻撃的な戦い方にはなったものの、最後の部分はあまり変わっていないのだ。

サッリの哲学をチームに植え付けるにはそれなりの時間が必要となる。それはサポーターも理解しているはずだが、サッリのスタイルに惚れ込む時はくるのか。アザールが抜けた時の絵が想像しづらいチームになってしまっている。

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