将来の日本代表も?2018年J2、J3で活躍した隠れた逸材たち(FW編)

DAZNによりJリーグ各クラブの財政が潤ったことで2018シーズンのJリーグは移籍が活発化した。特に夏場に調子のよくないJ1チームは新外国人やJ2の活躍した選手を引き抜いた。松本から前田直輝を引き抜いた名古屋グランパス、山口から小野瀬康介を引き抜いたガンバ大阪を筆頭にシーズン開幕時は別チーム…ということは珍しいことではなくなった。

さて、まだまだJ2、J3に逸材はたくさんいる。既にJ1へ引き抜かれた選手も含めて編集部一押しの選手たちを紹介しよう。今回はFW編だ。

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藤本 憲明(大分トリニータ)

大分トリニータで馬場賢治と共にチーム内得点王となったのが藤本憲明だ。完全なレギュラーというわけではなく、途中出場も多い中で二けた得点を挙げたのは驚異的と言えるだろう。

元々、青森山田高校時代はサイドバックで、近畿大時代はMFであった。2016、2017年とJ3鹿児島で戦い2年連続で得点王に輝いたことで2018年に大分へステップアップを果たし、J2初挑戦となった。

そのJ2ではシュート50本に対して12ゴール、決定率24%と非常に高いアベレージを残した。上述の通り途中出場も多く1476分で12ゴールなのだから、実に120分に一度はゴールを挙げている計算になる。

また、データサイト『Football Lab』上では決定力以外の数値は軒並み高くないが5アシストもしており、単にゴールを挙げるだけの選手ではないこともうかがえる。

「自分自身JFLから始まり、J1まで来ることができました。」と語る2019年はJ1初挑戦、J1でも高い決定力を見せて欲しい。

渡邉 新太(アルビレックス新潟)

アルビレックス新潟ユース出身だが、柳津経済大学を経て2018年トップチームへ戻ってきた。ルーキーイヤーながら二けた得点をあげその潜在能力を示した。

FW登録であるが昨年の新潟では左サイドでも多く起用された。だが、置かれたポジションがサイドであっただけで彼のゴールの狙う視線はフォワードと変わらない。「ゴールの意識は一番持っている」と鈴木政一監督が語るほどで、エリア外からでも隙あらばミドルシュートを狙っていく意識の高さがある。頭足と問わずゴールを狙えるの魅力だ。

また、狭いスペースしかなくてもそれをかいくぐれるだけの細かなドリブルを持ち、決してゴールだけの選手ではない。

そうした選手はFWではなくサイドにコンバートされてしまうことも多いが、できればストライカーとして継続して成功してほしいものだ。

船山 貴之(ジェフユナイテッド千葉)

昨年のJ2ではベテランストライカーの躍動が相次いだ。24得点をあげ得点王に輝いた大前元紀、12得点をあげた大黒将志、中島裕希らがその筆頭だ。

その中で1人あげるとしたらあえてジェフ千葉の船山をあげたい。2018年の船山はFWだけでなくトップ下を中心にサイドやフォワードの位置もこなすなど決してゴールだけ狙えばよい状態ではなかった。

そのためにポストプレーで体を張り、自らゲームメイカーとしてパスを出しドリブルでチャンスメイク、さらには運動量豊富に守備もこなすなど攻守に渡り貢献した。

そうした何でもできる姿は従来から持つ船山の良さでもあるのだが、その一方でシュートシーンになると疲れてしまうのか外してしまう…というのが2017年までの船山だった。それが一躍19得点をあげ2014年以来となる二けた得点をあげた。

2016年には4.9%、2017年に8.6%だった決定率も22.1%と大幅増。かつて二けた得点を挙げていた時はもっとシュートをバンバン売っていたので決定率は低かったが、大幅リニューアルした質を追求した結果の19ゴールと言えるだろう。

今季もジェフユナイテッド千葉でプレーするが背番号は10に変更。J1昇格には彼の活躍は必要不可欠と言えるだろう。

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