川棚町議選 石木ダム論争深まるか 反対地権者初出馬

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出陣式でこぶしを突き上げる支援者ら=東彼杵町

 14議席を計16人(現職12、元職1、新人3)で争う川棚町議選では、県と佐世保市が同町に計画する石木ダムの建設予定地の反対地権者が初めて立候補した。選挙戦で同町の長年の懸案であるダム問題についての政策論争が深まるかが注目される。
 建設予定地では反対住民13世帯が暮らすが、県は宅地を含む土地の収用手続きを進めている。反対地権者で、JR川棚駅前で街頭演説に立った新人候補は「町の一部が強制収用されるのに、町長も議会も何も言わない」と批判し、「この問題に関心を持ってほしい」とボルテージを上げた。
 地権者の立候補の動きを受け、町議会石木ダム対策調査特別委委員長を務める現職は当初の引退の意向を撤回し、出馬した。16日、町内で開いた個人演説会で「これまでかなわなかった(反対地権者との)対話が、反対地権者が議員になれば(町議同士として)できる可能性が出てくる」と理由を説明。「ダム計画をやめても、川棚川の治水の課題はなくならない。賛成、反対の論争ではなく地権者との合意形成だけが解決の道」と力説した。
 ある町民は「普段は話題に出しにくいダム問題を、正面切って考え、語り合う機会になる」と歓迎した。