20歳以下の世界一を決めるFIFA U-20ワールドカップがいよいよ開幕する。
この世代に優秀な選手が集中する日本は、1999年大会の準優勝を超える成功を期待されたが、大会前に久保建英、安部裕葵、大迫敬介が「A代表を優先する」事情で外れることに…。
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しかしそれでもまだまだ彼らに負けない逸材たちが揃っている。今回は、大会の活躍次第で海外へ渡ってしまうかもしれない選手たちを特集しよう。
田川 亨介(FC東京)
前回2017年大会に久保建英と飛び級で参加した田川は、既に“世界”から関心を寄せられている。
昨季のJ1第1号ゴールを記録し、1つ上の五輪世代で臨んだトゥーロン国際大会でポルトガル代表からゴールを記録した昨夏、レスターからの関心が伝えられ話題となった。
武器は50m6秒0の爆発的なスピードと強烈な左足。そのふてぶてしい性格は典型的なストライカーで、お手本にバイエルンのFWレヴァンドフスキを挙げている。
昨季は、フェルナンド・トーレスと金崎夢生の加入により鳥栖で出場機会を失い、今季、FC東京へ移籍するも出番は少ない。彼が中島翔哉のように海外向きだとすれば…。
西川 潤(桐光学園)
今年3月、来年度からセレッソ大阪へ加入することが発表され、4月には桐光学園に在学しながらJリーグでデビューを飾った西川。
ユースに所属しない高校生のJデビューは、環境が整備された現在では異例のこと。17歳1か月23日でのJデビューも、柿谷曜一朗に次ぐクラブ史上2番目となる若さだった。
そんな彼は、左利きで横浜FMのジュニアユース→桐光学園と進んだ経歴から「中村俊輔の後継」などと呼ばれ、また、攻撃の万能選手であることから、ベイルやラウールといったスターと比較されることも。
今冬にはレヴァークーゼンにも練習参加しており、どちらにしても海外行きは時間の問題だろう。
斉藤 光毅(横浜FC)
世間では久保建英ばかりが脚光を浴びるが、同じ2001年生まれの斉藤も負けてはいない。
昨夏、17歳にして横浜FCとプロ契約を結び、三浦知良と2トップを組んだ際には「35歳差」として話題になったアタッカーは、今季、既にJ2で2ゴールを記録している。
武器は何といってもドリブルだ。“日本のメッシ”と例えられた久保が昨今、完成された選手へと変貌を遂げつつあるなかこれでもかと仕掛ける強気な姿勢が魅力的で、U-17代表の森山佳郎監督もその実力・才能を絶賛している。
代表では2トップの一角か、両サイドでプレーするはず。同年齢の久保、同じポジションの安部裕葵の穴をまとめて埋めるだけの働きを期待しよう。
伊藤 洋輝(名古屋グランパス)
U-15からジュビロ磐田に所属し、クラブのレジェンドである福西崇と比較されるほどの逸材。昨年トップ昇格し、今季は期限付きで名古屋に所属している。
視野が広く、長短のパスを出せるセンターハーフで、中村俊輔が「チアゴ・モッタのようだ」と形容したことも。188cmと大型であることからアンカーやセンターバックとしての役割も可能だ。
そして、左足から放たれるシュートの迫力はまさに“プレミア級”。昨年のAFC U-19選手権では、初戦の北朝鮮戦で凄まじいゴールを記録している。
運動量や敏捷性には課題ものぞかせるが、そのスケール感は世界の逸材にも負けないはずだ。
三國 ケネディエブス(アビスパ福岡)
流経大柏の関川郁万(現鹿島)ともに今年の高校サッカー選手権をわかせた青森山田の怪物DFは、プロになって最初の世界大会に臨む。
ナイジェリア人の父親を持つ彼はもともとFWやサイドアタッカーであった。しかし「このままではプロになれない」と一昨年に直訴しセンターバックへ転向するとそれが大当たり。J2・福岡入りを勝ち取った。
一説には195cmとも言われる高さは高校はもちろん、アジアでは無敵のレベル。両足から繰り出される速度のあるパスも非常に魅力的だ。
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まだまだ粗削りではあるが、福岡でセンターバックのコンビを組む實藤友紀は「ポテンシャルはトミ(冨安健洋)より高い」と太鼓判を押す。その潜在能力を世界に示せるだろうか。