【横浜市営地下鉄脱線】復旧作業難航 全線再開、見通し立たず

 横浜市営地下鉄ブルーライン下飯田駅(同市泉区下飯田町)を出発した始発電車が脱線した事故で、横浜市は8日、復旧作業が難航し、全線運行再開の見通しが立っていない状況を明らかにした。市はこれまで9日始発からの全線再開を目指すとしていた。

 市交通局によると、脱線した車両5両のうち、3両はレール上に引き上げられたが、残り2両は、コンクリート製の枕木の損傷が激しく、車輪が枕木の下の砂利に沈み込んでいる。このため、車体が傾いてトンネル側壁に接近し、作業スペースが確保できないことから、残り2両を引き上げるのが困難になっている。

 また、レール上に引き上げた車両1両でも台車部分にひずみが見つかり、車両基地までの搬送に耐えられない可能性が出てきており、市交通局は撤去方法を再検討している。市交通局はJR東日本、東急電鉄などにも協力を仰ぎ、ここまで延べ650人が復旧作業にあたっているという。

 ブルーラインは8日も、あざみ野-踊場間で折り返し運転を続け、踊場-湘南台間はバスによる代行輸送を継続実施している。

 事故は、6日午前5時20分ごろ、湘南台発あざみ野行きの上り電車(6両編成)が、線路上から撤去し忘れた装置に乗り上げ、先頭車両から5両目までが脱線した。当該電車の男性運転士が軽傷を負い、乗客の女性1人も肩の打撲を訴えている。

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