横浜市、9日の全線運行再開見送り 事故車両引き上げ難航、めど立たず

 横浜市営地下鉄ブルーラインの脱線事故で、市は8日、最短で9日始発から目指すとしていた全線での運行再開を見送る、と発表した。事故が起きたトンネル内での車両の引き上げ作業が難航しているためで、全線再開のめどは立っていないという。

 市は当面、あざみ野-踊場間での折り返し運転を継続。運転を見合わせている踊場-湘南台間は代行輸送バスで対応する。

 バスは午前5時半から午前0時半(平日は午前1時)まで、踊場-中田-立場-相鉄いずみ野線いずみ中央間で走らせる。ただ輸送力が不足しているとし、市は他社線への振り替え輸送を利用するよう呼び掛けている。

 市交通局によると、脱線した5両のうち3両は線路上に戻した。だが残る2両は車輪が沈み込み、進行方向左側のトンネル側壁に傾いているため、作業する空間が確保できず、引き上げ作業が困難な状況という。

 さらに、線路上に戻したうちの1両も、車両を載せる台車にひずみがあることが判明。予定していた上永谷駅(同市港南区)近くの車両基地まで運び込めない可能性が高く、市は撤去方法を再検討している。

 事故は6日早朝に発生。下飯田駅(同市泉区)を出発した始発の上り電車(6両編成)が、線路上に放置された工事用車両を移動させるための装置に乗り上げて脱線。男性運転士が軽傷し、乗客の女性が肩の打撲を訴えているという。踊場-湘南台間の1日の平均利用者数は約5万6000人。

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