黒島天主堂 上部を間近に 見学台設置、外部を公開 佐世保

高さ約8メートルの位置に見学台が設けられた黒島天主堂=長崎県佐世保市黒島町

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「黒島の集落」(長崎県佐世保市)に含まれ、改修工事を進めている黒島天主堂に15日、見学台が設置され、外壁やステンドグラスなど建物外部の公開が始まった。
 黒島天主堂は1902年にフランス人のマルマン神父の指導で信徒が建設。耐震化と修復のため今年3月に改修工事を始めた。カトリック長崎大司教区が工事を発注し、総事業費約5億3千万円の約9割を国県市が補助。2021年3月に完了する予定。
 見学台は教会正面の高さ約8メートルの位置に設置。長さは約30メートルあり、ステンドグラスの円窓や外壁のれんがを見ることができる。
 工事は、外観を変えないように壁内部にステンレス棒などの補強材を入れる特殊な技術で進めている。市教委文化財課は「れんが造りの教会では前例のない工事。教会上部を間近に見学できる貴重な体験になる」としている。
 見学台は午前9時~午後4時まで使えるが、同関連遺産のインフォメーションセンター(電095.823.7650)への事前申し込みが必要。12月25日と年末年始は公開しない。

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