ブルデー&バルボサ、JDCミラーのキャデラックでIMSAフル参戦へ。ロイック・デュバルが助っ人に

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で2台のキャデラックDPi-V.Rを走らせるJDCミラー・モータースポーツは、マスタング・サンプリングと提携し2020年シーズンを戦うことを発表した。レギュラードライバーにジョアオ・バルボサとセバスチャン・ブルデーを迎え、第3ドライバーにはロイック・デュバルを起用する。

 アメリカ・ミネソタ州に拠点を置くJDCミラー・モータースポーツは2019年、84号車と85号車キャデラックDPi-V.Rでシリーズ最高峰のDPiクラスに参戦した。同チームは来年1月にデイトナで開幕する2020年シーズンに向けて、今季までアクション・エクスプレス・レーシング(AXR)を支援していたマスタング・サンプリング社との2年契約を締結したとアナウンス。

 これにあわせてベテランのバルボサと、元F1ドライバーで2004年から4年連続チャンプカー王者となったブルデーの起用を明らかにしたほか、デイトナ24時間レースなどのロングディスタンスレースでは、第3ドライバーとしてアウディDTMドライバーのデュバルを招聘する。

 また、2018年にバルボサとともにデイトナ24時間の総合優勝を果たしたクリスチャン・フィッティパルディも、アドバイザーとしてチームに加わっている。

 JDCミラー・モータースポーツのマネージングパートナーであるジョン・チャーチは、チームの新体制について次のように述べた。

「マスタング・サンプリングが我々(のプログラム)に参加することを光栄に思う。ブレンダとケン・トンプソンが私たちのチームと組織に信頼を置いてくれたことに感謝している」

「マスタング・サンプリング・レーシングは、IMSAウェザーテックスポーツカーチャンピオンシップにおいて数々の素晴らしい戦績を収めてきた。我々は5号車キャデラックDPi-V.Rの遺産を引き継ぐことを楽しみにしており近い将来、さらなる勝利とチャンピオンシップを獲得できることを望んでいるんだ」

 そのマスタング・サンプリング・レーシングのバナーの下で5号車キャデラックを走らせていたAXRは今年10月、DPiプログラムを縮小し、2020年はウェレン・エンジニアリングの名でシリーズに参戦する31号車キャデラック1台のみの体制となる可能性が高いと報告されていた。

 これに伴い、長年同チームからシリーズに参戦してきたバルボサがレギュラーシートを失うことになると考えられていたが、彼はJDCミラーと新たに契約を結んだことによって、7年連続で合併後のIMSAシリーズに参加できることになっている。

 そんなポルトガル人ドライバーとマシンをシェアするブルデーは近年、フォード・チップ・ガナッシ・レーシングが担うフォードのGTプログラムに所属しデイトナ24時間やル・マン24時間レースなどに出場。これと並行してNTTインディカー・シリーズにもデイル・コイン・レーシングから参戦していたが、2020年に向けてはシートを失っていた。

■「ブルデー以上のチームメイトは望めない」とバルボサ

マスタング・サンプリング・レーシングの5号車キャデラックDPi-V.Rと、JDCミラー・モータースポーツの84号車キャデラックDPi-V.R

「JDCミラー・モータースポーツに加わり、マスタング・サンプリング・レーシングとの関係を継続できることを非常に楽しみにしている」とバルボサ。

 彼はAXRのコルベットDPをシェアし、2014年のデイトナと翌2015年のセブリング12時間レースでともに優勝したブルデー、フィッティパルディと再び共闘できることを歓迎している。

「セバスチャンとまたクルマを共有できることをとてもにうれしく思う。彼のインディカーでの契約が継続されなかったことを聞いたときは悲しかったが、一方で彼以上に良いチームメイトを望むことはできなった」

「僕たちは過去にセブリングとデイトナで一緒に優勝しているから、今度も素晴らしいリザルトを得られると思うよ」

 また、ブルデーも「ジョアオ、ケン、ブレンダと再会し、JDCミラーとマスタング・サンプリングの下で、再びプロトタイプカーをドライブする機会を得られたことをうれしく思う」とコメント。

「クリスチャンと、これを可能にしたすべての人に感謝したい。キャデラックDPi-V.Rのハンドルを握るのを2020年まで待っていられないよ!」と語った。

 そんなふたりを第3ドライバーとして支えることになったデュバルは、過去に何度かデイトナで助っ人参戦を経験している。しかし、2013年のル・マンウイナーもセブリングやプチ・ル・マンを含むシーズンを通しての第3ドライバー起用は今回が初めてとなる。

 JDCミラー・モータースポーツは2020年シーズンも2台体制を維持する計画であり、チャーチよればチームは現在、パートナーや追加ドライバーと協議を進めているという。また、すぐにもう一台のキャデラックDPi、85号車に搭乗するドライバーラインアップを発表できることを期待していると付け加えた。

セバスチャン・ブルデー、クリスチャン・フィッティパルディ、ジョアオ・バルボサのトリオは2014年のデイトナ24時間でも、コルベットDPで総合優勝を飾っている。
IMSA WTSCの2019年シーズンを2台のキャデラックDPi-V.Rを戦ったJDCミラー・モータースポーツ

© 株式会社三栄