1.36億円更改のDeNA今永、開幕投手は「譲れない」 来季は優勝&15勝&東京五輪

契約更改を行ったDeNA・今永昇太【写真:編集部】

今季のご褒美問われ爆笑回答「皆さんと鳥貴族にでも…」

 DeNAの今永昇太投手は5日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、6900万円増の1億3600万円でサインした(金額は推定)。今季は25試合に先発し、キャリアハイの13勝7敗、防御率2.91をマークしたが、初の大台到達にも笑顔はなく、いつにも増して引き締まった表情を見せた。

「(去年の今頃は)こんな成績が残せるとは思わなかった。自分の根本となるストレートの精度がまた戻ってきた」。2017年に11勝でブレイクした今永だったが、昨季は4勝11敗と悔しいシーズンを送った。

「もしかしたら自分の中でこの世界でやっていけるというのが安心になり、違う方向にいったのかもしれない。隙を見せてはいけないと思う」

 戒めを強く持ち、昨オフは12月からオーストラリアリーグで武者修行。この12月も来季に向けて、米シアトルの「ドライブライン・ベースボール」を視察する。「球団の方からは『1年だけ活躍するのはダメだよ』と。やっぱり3年、4年しっかり働いてくれと言われた。僕もそこを目標としている」と来季以降もエースとして働く覚悟だ。

「代表レベルだと比べるのも恥ずかしいくらい力の差がある」

 その中で開幕投手にも名乗りを挙げる。「そこはもう譲れないもの。俺がやるんだという気持ちで、常に思っている」。今季達成できなかった15勝以上も依然として目標として掲げる他、「なんでもいいのですがタイトルがついてきたら、いいシーズンになるのではないかと思います」と今季逃した最多奪三振などのタイトルも狙う。

 チームとしては2位に終わった今シーズン、「残りの3勝分、そこをもう少しなんとかできたらチームの順位も変わってきたかもしれない」と悔しさを残す。「優勝争いする8月、9月に勝てないと。そのためには精神力、技術、もっともっと高めていかないと」と来季の雪辱を誓っていた。

 さらに来季は東京オリンピックも控えており、ハマのエースとしてだけでなく日本のエースとしても意気込みは十分だ。「第2回 WBSC プレミア12」では2戦に先発し2勝を挙げたが「やっぱり代表レベルの中で自分を天秤にかけると、比べるのも恥ずかしいくらい力の差があるので。その中で(山崎)康晃さんはドッシリとしていて、貫禄を感じた。あの場の中で自分自身というものを出せるような力を」と同球団の先輩もお手本としている。

 どこまでもストイックな今永だが、今年の“ご褒美”を問われると、「特に何が欲しいとかもないので……。1年間記事を書いてくださったメディアの皆さんと…鳥貴族でも行きましょう」と場を和ませていた。(臼井杏奈 / Anna Usui)

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