世知原少年の家 廃止へ 2021年3月末で

 長崎県佐世保市の青少年教育施設、県立世知原少年自然の家(世知原町)について、長崎県教委は11日、2021年3月末で廃止し、県立佐世保青少年の天地(烏帽子町)に機能を集約することを明らかにした。池松誠二教育長は「施設改修や空調整備などの投資を全ての施設にするのは困難。整理が必要と判断した」と説明。16日以降に地元住民や学校関係者への説明を始める方針を示した。

 定例県議会の文教厚生委で報告した。

 県教委生涯学習課によると、世知原少年自然の家は沢登りなどの自然体験ができることが特長。青少年教育施設全体の利用者数が減少する中で毎年2万5千人前後の利用があり、約6割が学校のカリキュラムの一環で訪れている。

 県教委は、県立の青少年教育施設5施設のうち2カ所が佐世保市に集中していることを指摘。青少年の天地以外の施設が築40年以上で大規模な改修が見込まれることや猛暑対策の空調整備の必要性を挙げ、「佐世保市に2施設は多すぎる。集約で生まれた費用を他の施設に活用できる」とした。

 委員からは、地元への事前の説明不足を指摘する声や、廃止後の活用を検討しながら存続するべきだとする意見が上がった。池松教育長は「将来を見越した判断。世知原少年自然の家の体験活動をどのような形で継続できるか検討したい」と述べた。

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