直木賞・川越氏 梅屋庄吉を描く 25日から長崎、壱岐へ取材旅行

 中村法道知事は17日の定例会見で、直木賞に決まった作家の川越宗一氏が、中国・辛亥革命の指導者孫文を支援した長崎市出身の実業家、梅屋庄吉(1868~1934年)を題材にした小説を執筆する取材旅行のため25日から3日間、長崎市と壱岐市を訪問すると発表した。
 小説家や漫画家を取材旅行に招く長崎県の事業「描いてみんね!長崎」の一環。県によると、川越氏は梅屋の人生の軌跡を独自の視点から長編書き下ろし小説にする。25日は長崎市内で梅屋ゆかりの場所などを訪問。26日は遊覧船から長崎港を視察し、ランタンフェスティバルでは媽祖(まそ)行列を見学する。27日は壱岐市で梅屋の妻トクの実家跡などを訪ねるという。
 川越氏は県の同事業で2018年9月に長崎県を取材。平戸で生まれた明(中国)の英雄、鄭成功(ていせいこう)の母を主人公とした「海神の子」を執筆している。
 中村知事は芥川賞でも母が平戸市的山(あづち)大島出身の作家、古川真人(まこと)さん=横浜市在住=が選ばれたとして2人に祝辞を述べ、「今後とも長崎を舞台にした作品を数多く執筆してほしい」と期待した。

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