2020年シーズン開幕を目前に控え、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの各陣営が新年度に向けたチーム体制とマシンが続々と発表されている。デビューイヤーの2019年を席巻したフォード・マスタングは新加入のケリー・レーシングがカストロールカラーのリック・ケリー車をお披露目したほか、ホールデン勢もニューカラーのコモドアZBを相次いで披露している。
2月23日の開幕が目前に迫ってきたVASCシリーズは、2月12日にイプスウィッチのクイーンズランド・レースウェイでプライベートテストを開催。現地では直前のシーズンラウンチで登場したチーム・シドニーのジェームス・コートニー車がシェイクダウンを実施し、新鮮なコカ・コーラカラーのホールデン・コモドアZBでトラックを周回するなど、新シーズンへのテンションが高まってきている。
そんななか、2月18日から始まるザ・ベンド・モータースポーツパークでの開幕直前プレシーズン・テストを前に、今季からフォード陣営に移ったケリー・レーシングがエースカーとなる2台目のフォード・マスタング・スーパーカーを披露した。
2013年から2018年シーズンまでニッサン・モータースポーツのファクトリープログラムを担当し、L33アルティマ・スーパーカーを走らせたケリー・レーシングは、本拠地メルボルンの中心地にあるフェデレーション・スクエアで、グリッド上で8台目となるマスタングをアンベイル。エースのリック・ケリーも「16週間にわたるマシン製作の成果が実った」と、ここまでのチームの努力を讃えた。
「ついに、僕たちの新しいカストロール・レーシング・マスタングを披露することができて本当にうれしいよ。SNSを通じて支援してくれたファンには心からの感謝を捧げたいし、ここ数か月は皆が想像するほど簡単な仕事ではなかったが、僕らが成し遂げたことを本当に誇りに思っている」と喜びを語ったリック・ケリー。
「16週間で新型マシンを完成させるのは並大抵ではなかったし、ファクトリーのクルーは24時間稼働してこの仕事を成し遂げた。それにカストロールは2009年以来、僕のキャリアとチームを支えてくれてきた。その彼らと新たなマシンで船出の日を迎えられたのは本当に光栄だ」
「とくにこのマスタングでは、インハウスに切り替えたエンジン開発の面で大いに助けられた。彼らの技術的サポートは心強く、とくにパフォーマンスと信頼性について新規部品をテストする際、すべての一貫性が非常に重要であるため、エンジン開発スタッフにとって非常に貴重な支援になったよ」
また、ケリー・レーシングやDJRチーム・ペンスキーと並ぶフォード陣営の一角、ティックフォード・レーシングもキャメロン・ウォーターズの6号車を披露し、引き続きモンスターエナジーがサポート。ドライバー、タイトルスポンサーともに昨季10月に複数年契約を締結していることから、その動きを反映したカラースキームとなった。
同じく23レッド・レーシングのウィル・デイビソン車も昨季と同じく工作機器メーカーのミルウォーキーが支援し、2020年もミルウォーキー・レーシングとしてエントリー。ただしホワイト×レッドのコンビネーションカラーからレッド基調に変更された上で、古典的なブラックのストライプを採用。さらに新スポンサーに地元酒造メーカーのサンデー・ブルーイングを迎え入れた。
一方のホールデン陣営は、元ファクトリー指定チームをルーツとするWAU(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド)が新加入チャズ・モスタート車を披露。オイルブランドの巨人”モービル1″とのパートナーシップを延長し、モスタート初のホールデンはモービル1・アプリアンス・オンライン・レーシングのエントリー名でシリーズを戦う。
その他、デビッド・レイノルズとアントン・デ・パスカーレの強力ラインアップが残留するエレバス・モータースポーツは、オーストラリア国旗を特徴とするニューカラーを公開し、2台体制に拡充するチーム18は契約延長の2014年王者マーク・ウインターボトムに加え、スコット・パイの20号車に工作機器メーカー、デウォルトのメインスポンサー就任を発表。
ニッサンから移籍のギャリー・ヤコブセンが加入するMSR(マット・ストーン・レーシング)や、4台体制となるBJR(ブラッド・ジョーンズ・レーシング)も新体制と”ニュー・リバリー”をアナウンスしている。