インディカー:iRacingを使ったバーチャルレースはセージ・カラムが優勝を飾る

 アメリカでも感染者が急増しているなか、インディカー・シリーズは3月28日、ドライビングシミュレーターのiRacingを使ったバーチャルレースを開催。25台によるレースをセージ・カラム(DRRウィックス・フィルター・シボレー)が優勝を飾った。

 このバーチャルレースは、レースが順延となったインディカー・シリーズが主催し、ドライビングシミュレーターのiRacingを使い、オンラインで実際のドライバーたちが戦うというもの。今季から採用されるエアロスクリーンを備えたマシンにカラーリングも実際のものを使い、ワトキンスグレンを舞台に。さらに、アメリカ赤十字社がレースの冠スポンサーとなり、『アメリカン・レッドクロス・グランプリ・アット・ワトキンスグレン』と題された。

 迎えたレースでは、本番さながらの白熱のバトルが展開された。レース中やレース後、自宅から私服姿のドライバーが映像でコメントを送るシーンなども見られた。レースは45周のうち43周をリードしたカラムが、フェリックス・ローゼンクビスト(NTTデータ・チップ・ガナッシ・ホンダ)をおさえ優勝。3位はウィル・パワー(ベライゾン・チーム・ペンスキー・シボレー)となった。なおレース後、インディカーから正式なボックススコア(アメリカでのリザルト)も出ている。

 序盤、パワーを抑え4番手を戦っていたアレックス・パロウ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・チームゴウ・ホンダ)は、「日本のスーパーフォーミュラで活躍したスペイン人ドライバー」と実況に紹介され活躍をみせたが、37周でコースオフとなった。

「とても楽しかったよ! ファンのみんなに観戦できる機会を提供できたのが素晴らしかったね」と優勝を飾ったカラム。

「いま、これは世界でできる唯一のスポーツだと思うんだ。チームのために優勝できて良かったよ。実際のレースでもこれを再現しなくちゃね!」

 また2位となったローゼンクビストは「長くて汗をかいたよ。今回セイジをキャッチするのは難しかったけれど、彼にとってはふさわしい勝利だったと思う」とコメントした。ちなみにローゼンクビストは、SNSで「3ヶ月前、僕のレースシムのステアリングコントローラーはこれだったんだけどね!」と机と椅子に固定されたかなりシンプルなコントローラーの写真を公開している。

 SNSでは、6位のシモン・パジェノー(メナーズ・チーム・ペンスキー・シボレー)はレース後、シートで疲れを癒していると、自宅の愛犬が駆け寄るシーンを公開。オンライン対戦らしいシーンが多数見られている。

『アメリカン・レッドクロス・グランプリ・アット・ワトキンスグレン』の様子
インディカーのバーチャルレースを制したセージ・カラム

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