対馬市人口 初の3万人割れ 経済低迷など影響か

 対馬市が住民基本台帳に基づき毎月末集計している市内人口が、3月末時点で2万9976人と初めて3万人台を割ったことが2日分かった。日韓関係悪化に伴う島内経済の低迷などが影響しているとみられる。
 同市によると、国勢調査で対馬全島の人口がピークだったのは1960年の6万9556人。しかし、離島である対馬は本土を上回る勢いで過疎化が進み、島内の旧6町が合併し対馬市となった2004年3月の末時点で4万592人にまで減少。翌年7月末に3万9990人と初めて4万人を割り込み、近年は年間500人近いペースで人口が減っていた。
 昨年3月末からの1年間では548人の減で、市政策企画課は「昨年は日韓関係悪化に伴う経済低迷を受け、年末までだけでも推定約50人の社会減があった。また、官公庁の人事異動で家族連れが島外に転出し、単身で転入してくるケースが多かったことも影響した」としている。一方で、世帯数が1万4987と1960年の国勢調査時とあまり変わっていない点については「かつては3世代同居が多かったものの、島外での就職や子どもの進学などで親子2世代が転出するようになったため」とみている。
 人口に占める65歳以上の割合を示す「高齢化率」は今年3月末時点で37.3%で、市に統計が残る80年の国勢調査時(11.1%)から約40年で26ポイント以上増えている。市保険課は「2025年には高齢化率が41%を超えると見込まれている。高齢者の健康づくりや介護予防の推進に取り組んでいきたい」としている。

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