新型コロナ 花業界を直撃 単価、例年比10分の1も

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「耳を疑う値段が付いた」と単価の下落を嘆く浦さん=佐世保市黒髪町

 新型コロナウイルスの感染拡大で相次ぐイベントの中止や規模縮小が、花業界を直撃している。需要が低迷し、単価が例年の最大10分の1以下まで落ちた品種もある。生産者は「いつまで続くのか…」と嘆き、先行きが見えない状況に不安が広がっている。
 「耳を疑う値段。シーズン終盤の値段がピーク時に付いた」。12月~3月がシーズンのラナンキュラスを栽培する佐世保市黒髪町の浦春城さん(42)はうなだれる。例年、1本80~100円で取引されるが、今年はほぼ半値。10円を下回ったときもあったという。
 定植から出荷までに3~4カ月。少しでも高い値段が付けばと期待して育ててきたが、いざシーズンを迎えれば新型コロナウイルスが拡大。浦さんは水や肥料を徹底管理して栽培してきた期間を振り返り、肩を落とした。
 卒業式や入学式、歓送迎会などで例年、花の需要が高まる春。だがイベントの中止や規模縮小が相次ぎ、花農家からは悲鳴が上がる。JAながさき西海の試算で「西海の花連絡協議会」の3月の損失額は約20戸で約570万円。単価の下落が響き、平均すると1戸当たり30万円近くの収入がなくなった計算だ。
 長崎花き園芸農業協同組合によると、輪菊にも影響が出ており県外に出荷した分の平均単価は昨年3月の72.7円から今年は58.4円に下がった。JAながさき西海では1本80~100円の輪菊が30~50円と半値になっている。コロナ禍で葬儀の規模縮小などが続いている影響だという。
 収束する見通しが立たず、農家の不安は増幅している。5月の「母の日」を控えるカーネーションは、4~6月が年間で最も売り上げがある時期。県花き振興協議会カーネーション部会の吉塚勇樹部会長(40)の気掛かりは今後、出荷が続けられるかどうかだ。出荷先の大半は、政府が緊急事態宣言を出した東京や大阪など。「海外では流通がストップし、花を廃棄したらしい。県内でも最悪の場合、同じことが考えられる」。早期の回復を祈り、事態の推移を注視している。
 現状を何とかしようと、乗り出す動きもある。フラワーギャラリーなどを展開するオランダ屋企画(長崎市)は「はなぷれ」と銘打ち、来店客に花を一輪プレゼントする取り組みを実施中。第2弾のイベントも検討している。川口親義常務取締役は「花には癒やしの効果がある。大変な時期だからこそ、花で和んでほしい」と話している。