史上最大のビッグイニングは17得点 67年前の大記録

今から24年前の1996年4月19日、オリオールズを相手に10対7でリードしていたレンジャーズは、8回裏に打線が爆発。ディーン・パーマーやケビン・エルスターの本塁打などで大量16点を奪い、26対7で圧勝した。このとき、オリオールズのケント・マーカーは「これはまぐれだよ。こんなことは二度と起こらないだろう」と話したが、その言葉の通り、15得点以上のビッグイニングはこれ以降誕生していない。しかし、1イニング16得点はメジャー記録ではない。

1900年以降の現代野球において、ビッグイニングのメジャー記録は、1953年6月18日のタイガース戦の7回裏にレッドソックスが記録した17得点だ。5対3でリードしていたレッドソックスは、サミー・ホワイトからの3連打で2点を追加すると、一死満塁となってジム・ピアソルの2点タイムリーとディック・ガーネットの3点本塁打であっという間に9点リード。その後も攻撃の手を緩めず、一死二三塁のチャンスを作って3本のタイムリーで4点を追加し、さらに二死満塁からの押し出し四球と4連続タイムリーで6点を奪って大量17点のビッグイニングとなった。

この回、レッドソックスは23人の打者を送り込み、2二塁打と1本塁打を含む14安打、6四球(うち敬遠1)という猛攻を見せた。20歳の新人ジーン・スティーブンスは2本のタイムリーを含む1イニング3安打を記録。余談だが、1983年にベテランズ委員会の選考によりアメリカ野球殿堂入りを果たしたジョージ・ケルが2本のレフトフライで3アウトのうち2アウトを献上している。

ちなみに、現代野球以前も含めたビッグイニングのメジャー記録は、1883年9月6日にシカゴ・ホワイトストッキングス(現カブス)が記録した18得点。21世紀に入ってからでは、2003年6月27日にレッドソックス、2009年4月18日にインディアンスがそれぞれ1イニング14得点を記録している。

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