長崎県が休業要請 理解示すも先行き心配 県民の反応

 遊興施設のほか、大学や運動施設、集会場なども対象となり、県民からは理解を示しながらも先行きを心配する声が聞かれた。
 「長崎市で感染者が増えたので仕方ない」。雲仙市愛野町の農業、永野定信さん(63)は休業要請に理解を示した。「感染が広がり続け、流通まで止まると野菜や果物が家庭に届かなくなる。それだけは何としても食い止めなければ」と事態の悪化を危惧する。
 佐世保市の30代男性会社員も「感染拡大の防止につながればいい」と受け入れるが、「(休業要請対象の)経営者の経済状況も心配。その分の経済的支援が必要」と指摘した。
 「福岡から勉強するために長崎に来た。親が学費を払ってくれているのに、勉強できないのが悔しい」と話すのは長崎市本原町の長崎大4年、平木麻奈さん(21)。生活費を得るため商業施設内の飲食店でアルバイトをしており「休業になるかわからず不安」と明かした。
 大村市玖島1丁目の自営業、北川麻衣子さん(37)は図書館や運動施設も休業要請の対象となったことに「大人は我慢できるけど、遊び場が制限される子どもたちがかわいそう。学力への影響が出ないかも心配」と気をもむ。
 高齢者訪問の拠点となっている集会所もある。対馬市厳原町桟原地区の柴田孝文区長(72)は毎月、民生委員らと集会所に集まり、独居高齢者宅を訪れている。「(休業要請期間中は)屋外集合で続けることになるだろう。島内で感染者が出た場合は電話確認となるが、これからどうなるか心配」と口にした。
 松浦市志佐町、会社員、黒木美代子さん(66)は「今の仕事には影響がないようだが(休業要請が)いつまで続くか心配」。91歳の母と夫と3人暮らしで「消毒を徹底するなど家族から感染者が出ないように気を付けている」と話した。


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