「MLBドリーム・ブラケット」準々決勝プレビュー

注目のシミュレーション企画「MLBドリーム・ブラケット」はベスト8が出揃い、現地時間4月27日と28日に準々決勝が行われる。ここでは準々決勝の4組の対戦の注目ポイントを紹介する。

ヤンキースvsアストロズ
Twitch/MLB.comで日本時間4月28日午前4時からライブ配信
結果発表:日本時間4月28日午前5時

両軍は2017年と2019年のリーグ優勝決定シリーズで対戦しているが、どちらもアストロズが勝利。27度のワールドシリーズ制覇を誇るヤンキースは、そのリベンジに臨む。一方のアストロズは、オリオールズ、タイガースという伝統球団を相次いで撃破しており、その勢いのまま準決勝進出を目指す。

第1ラウンドではあまり打線に元気がなかったヤンキースだが、第2ラウンドではインディアンスを相手に打線が爆発。ルー・ゲーリッグの4本塁打を筆頭に、トニー・ラゼリとベーブ・ルースが3本塁打、ジョー・ディマジオとミッキー・マントルが2本塁打を放つなど、合計17本塁打を量産した。アストロズとの準々決勝でも「レジェンド」がズラリと並ぶ強力打線が最大の武器となる。

アストロズは、ノーラン・ライアンを中心に、J・R・リチャード、ロイ・オズウォルト、マイク・スコットという安定感のある先発投手陣がヤンキース打線を迎え撃つ。5試合で防御率8.44と打ち込まれているフィル・ニークロを除けば、リリーフ陣も防御率1.47と安定している。アストロズ投手陣がヤンキース打線をいかに抑え込むかが、勝敗を分ける大きなポイントとなりそうだ。

レッドソックスvsホワイトソックス
Twitch/MLB.comで日本時間4月28日午前5時からライブ配信
結果発表:日本時間4月28日午前6時

アメリカン・リーグ創設時(1901年)の初期メンバーである両軍だが、ポストシーズンでの対戦は過去に1度しかない。ホワイトソックスは2005年の地区シリーズで前年王者のレッドソックスをスイープし、その勢いのままワールドシリーズ制覇を成し遂げた。しかし、レッドソックスはその後、2007年、2013年、2018年と3度のワールドシリーズ制覇を達成。その間、ホワイトソックスのポストシーズン進出は1度だけである。

左腕偏重のホワイトソックス先発陣のなかでは、ビリー・ピアースが4先発で3勝1敗、防御率2.05の好成績をマークし、クリス・セールも2先発で12回2/3を投げて無失点。この両エース左腕が今大会1試合平均5.8得点を誇るレッドソックスの強力打線に立ち向かう。

レッドソックスは、テッド・ウィリアムスがブルージェイズとの第2ラウンドで26打数14安打、打率.538、5本塁打、10打点、OPS1.702と猛打爆発。この主砲を中心に、デービッド・オルティス、ムーキー・ベッツ、ウェイド・ボッグス、ジミー・フォックス、カールトン・フィスクらが並ぶ強力打線を武器に準決勝進出を目指す。

カージナルスvsレッズ
Twitch/MLB.comで日本時間4月29日午前4時からライブ配信
結果発表:日本時間4月28日午前4時半

赤をチームカラーとする伝統球団同士の対戦は、両軍合計でポストシーズン出場44度、リーグ優勝33度、ワールドシリーズ制覇16度を誇る。ただし、ポストシーズンでの対戦経験は1度もない。

レッズは、過去2ラウンドの勝利した8試合で平均7.8得点を記録。特にパイレーツと対戦した第2ラウンドで勝利した4試合は、平均10.5得点をマークした。敗れた試合では平均2.0得点に終わっており、ジョーイ・ボットー、ジョニー・ベンチ、ジョー・モーガン、フランク・ロビンソン、バリー・ラーキン、ピート・ローズらが並ぶ強力打線「ビッグ・レッド・マシン」の出来が勝敗を大きく左右することになる。ちなみに、レッズのロースターのうち、殿堂入り投手はトム・シーバーだけである。

カージナルスは、殿堂入り投手5人、殿堂入り野手8人を擁し、投打のバランスが取れている。ボブ・ギブソンとディジー・ディーンの2人が投手陣の中心となり、打線にもスタン・ミュージアル、ロジャース・ホーンスビー、アルバート・プーホルス、オジー・スミス、ジム・エドモンズなど名選手がズラリ。打撃戦でも投手戦でも勝利できる試合巧者ぶりを今大会でも見せつけている。

ブリュワーズvsドジャース
Twitch/MLB.comで日本時間4月29日午前4時半からライブ配信
結果発表:日本時間4月28日午前5時

ワールドシリーズ制覇の経験がなく、出場自体も1982年の1度しかないブリュワーズだが、今大会ではシンデレラ・ストーリーを演じており、第1ラウンドで名門球団のジャイアンツを撃破。第2ラウンドでも伝統球団のカブスを破り、1969年創設の新興球団ながら準々決勝まで勝ち上がってきた。準々決勝でも過去2ラウンドと同様に、19世紀からの長い歴史を誇る名門球団と対戦する。

ドジャースは、過去2ラウンドとも4勝1敗と安定感のある戦いを続けており、その原動力となっているのが、サンディ・コーファックス、クレイトン・カーショウ、ドン・ドライスデール、オーレル・ハーシュハイザーという強力先発投手陣だ。ブルペンにもフェルナンド・バレンズエラ、ドン・ニューカム、エリック・ガニエらが控えており、過半数の試合で相手打線を2得点以下に抑えている。よって、打線の援護はそれほど必要でないものの、打線もデューク・スナイダー、ジャッキー・ロビンソン、ピー・ウィー・リース、コディ・ベリンジャーなど強力な陣容となっている。

戦力的に見れば、圧倒的にドジャース優位だが、カブスとの第2ラウンドの最終5試合がすべて1点差ゲームになるなど、ドラマチックな展開で勝ち上がってきたブリュワーズも決して侮れない存在である。クリスチャン・イェリッチやプリンス・フィルダーを中心とするブリュワーズ打線がいかにドジャースの強力投手陣を攻略できるかがポイントとなりそうだ。

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