「2020年F1ではリタイアは絶対許されない」シーズン短縮で通常とは異なるアプローチが必要に

 ルノーF1チームのエステバン・オコンは、2020年シーズンは予定より短縮されるため、リタイアが例年よりも大きな痛手になると考えている。

 新型コロナウイルス感染症の大流行により、F1序盤10戦が延期あるいは中止となっている。F1は2020年カレンダーの再構築に取り組んでおり、15戦から18戦を開催することを目指すと表明した。しかしほとんどの有識者たちは、この数字を楽観的と捉えており、12戦前後の開催を目標とするほうが、より現実的だとしている。

 いずれにしても、チームやドライバーらが戦うグランプリは例年より少なくなることは確実であり、レースを完走できなかった場合は大きなデメリットとなる。

「そう、ワイルドカードなんてものはないから、リタイアしている場合ではない」とオコンは『Sky Sports News』に述べている。

「すべてのレースを完走することがとても重要になる。可能な限りのポイントを獲得し、フィニッシュしなければならない」

 フェラーリのセバスチャン・ベッテルは最近、短いシーズンでも価値あるチャンピオンを生み出すことが可能だと話した。オコンもこれに同意しており、レース数が少なくても、タイトルを獲得した者の功績は損なわれないという考えを示した。

「レースが多ければ多いだけ、チャンピオンシップはより良いものになるだろう」とオコン。

「でも良いレースが10戦かそれ以上あれば有効だという意見に、僕は賛成だ。ある程度の数のレースさえできればいい。誰が最高のドライバーで、誰がそうでないのかを決めるうえで、条件は平等だからね」

2020年F1バルセロナテストでのオコン

 F1は、2020年シーズン開始に向けてプランを練るにあたり、同一会場でのダブルヘッダーを検討している。開幕戦になるとみなされているオーストリアで2戦、そしてその次のシルバーストンで複数のレースを行う案がある。

 オコンは、同サーキットで連続して2回レースを行う場合、1度目のレースでの勝者が必ずしも2戦目を制するわけではないと考えている。

「当然だけど、最初に優勝できれば、その次にもう1勝したいと思う。だけど、F3やDTMでの僕の経験からすると、絶対に同じ結果にはならないんだ」とオコンは言う。

「2回目には強さが増しているけれど、状況は変わる。他の人たちがいい仕事をすることもあれば、自分が十分に改善できないこともある。つまり、(同会場での2戦は)全く違う展開になるんだ」

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