「新型コロナ」の影響で予約キャンセルが相次いでいた(株)秋芳観光ホテル秋芳館(山口県)が破産申請へ

 (株)秋芳観光ホテル秋芳館(TSR企業コード:770010326、法人番号:4250001004673、美祢市秋芳町秋吉台1237-236、登記上:同市秋芳町秋吉3451-1、設立1952(昭和27)年10月、資本金1億円、齊藤秀一郎社長)は4月30日までに事業を停止し、破産手続きを猪俣俊雄弁護士(猪俣俊雄法律事務所、山口市黄金町5-9、電話083-923-3900)に一任した。
 負債総額は2億3008万円。

 山口県屈指の観光地である秋吉台で観光ホテル「秋芳ロイヤルホテル秋芳館」を経営するほか、近隣で飲食店2店舗を展開していた。ホテルは最大収容人数250名と美祢市内でも最大級の規模を誇り、ピークとなる1996年3月期には売上高8億5158万円を計上。しかし、1993年に実施したホテルの建て替えや、関連会社への資金支援などで20億円を超える借入を抱えるなか、観光客数の減少に伴う減収となり、資金繰りが悪化。2013年2月に、山口地裁に民事再生法の適用を申請した。
 以降は債権者や取引先の協力を得て再建に取り組んでいた。2016年3月期、2017年3月期は大河ドラマの効果などから売上は回復したものの、その後の観光客の減少などから売上高はジリ貧で推移し、2020年3月期は約2億2200万円にとどまっていた。
 施設の継続を図るため、同業者への事業売却の交渉を進めていたが、「新型コロナウイルス」の影響が強まるなかで計画が頓挫。一方で、予約客のキャンセルや飲食店の営業自粛によって収入がない状態となり、今回の事態となった。
 なお、ホテル施設の継続を希望しており、事業を継承する事業者を募集する方針。

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