完璧に捉えた本塁打、真っ向勝負に空を切るバット、ヘッドスライディングにクロスプレー…。一投一打に集中し、歓喜した。昨年11月以来、約半年ぶりとなったソフトボール男子の県大会。待ちわびた光景と選手たちの笑顔が広がった。
自分たちでオーダーを決めて采配もした大村工が優勝したが、今年も各校の力はハイレベルで拮抗(きっこう)していた。佐世保西との最終戦は3-3の時間切れで引き分け、その佐世保西と島原工の試合は0-1の接戦だった。
大村工を筆頭に、県勢男子は春の全国選抜大会で昨年まで8年間負けなし。夏のインターハイも過去10年間で優勝5回。今年は春も夏も全国で戦えなかったが、先輩たちに負けない“日本一の県大会”だった。
島原工は昨秋の県大会決勝で大村工に延長の末に惜敗。その悔しさを胸に「インターハイの決勝のつもり」でこの日を迎えた。主将の中村は「全国チャンピオンがいる県で勝つのは厳しいけれど、逆にチャンスと思ってやってきた」と3年間の努力に胸を張った。
活躍の場が失われたこの数カ月間の悔しさは簡単に払拭(ふっしょく)できない。でも、最後にライバルと一緒に白球を追い掛けることはできた。大村工の主将の前川は「今、ソフトボールをできること、思いきり楽しめること」への感謝を伝えた上で、後輩たちへこんな言葉を残した。
「長崎を制する者が全国を制す」。おそらく、その思いはしっかりと受け継がれた。
ソフトボール男子交流大会 待ちわびた光景、笑顔広がる
- Published
- 2020/05/31 10:02 (JST)
- Updated
- 2020/05/31 10:22 (JST)
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