西武今井、進化を遂げた155キロに覚醒の予感 源田も驚愕「すごい球を見た!」

楽天との練習試合に先発した西武・今井達也【写真:宮脇広久】

4か月前に並ぶ自己最速も“質”が大違い

西武の今井達也投手は10日、メットライフドームで行われた楽天との練習試合に先発し、5回4安打6三振を奪い鈴木大地のソロによる1失点に抑えた。4年前の夏に栃木・作新学院高を全国制覇に導きドラフト1位で入団した右腕が、覚醒の予感を漂わせている。

「すごかった! すごい球を見た!」

攻守交代でショートの定位置からベンチに戻ってきた主将の源田が、興奮気味にまくしたてた。5回2死走者なしで3番の茂木を迎えた今井は、カウント0-2から内角低めに151キロの速球をズバリと決め、見送り三振。好打者の茂木が全く反応できなかった。

今井は1回1死三塁でもやはり茂木を迎え、外角高めの速球で空振り三振に仕留めた際、自己最速タイの155キロを計測。辻監督は「最近安定した投球をしてくれている」と目を細めた。

今春のキャンプでは辻監督は厳しい評価「ダメでしょ。ストライクとボールがはっきりしていたもの」

今年2月26日に宮崎で行われたオリックスとの練習試合でも、球場のスピードガンは自己最速を更新する155キロを表示したが、制球を乱しボールが先行していたことから、この時の辻監督の評価は「ダメでしょ。ストライクとボールがはっきりしていたもの」という手厳しいものだった。

今井自身も「155キロ? 絶対出てない。それはもう断言できます」と“計測ミス”を主張。「球速はあまり気にせず、狙われていてもファウルになるような、ストレートの強さ、質で勝負していきたい」と反省していた。

それから4か月弱。この日の今井は155キロ計測を「試合が終わってから、トレーナーさんに聞いて初めて知った」と言うが、「初回からいい真っ直ぐがいっていて、感触はすごく良かった」。同じ155キロでも前回とは手応えが大違いだったのだ。

昨季7勝(9敗)を挙げ、足掛かりは築いた。プロ4年目の22歳は今季、押しも押されもせぬチームの大黒柱へステップアップを遂げるか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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