新型コロナ 軽症者療養に157床確保 長崎、佐世保の2ホテル

 長崎県は15日、新型コロナウイルスの感染拡大に備え、長崎、佐世保両市内の2ホテル計157床を、軽症者用の宿泊療養施設として同日までに確保したと発表した。県が1棟を3カ月間借り上げる。感染者の状況によって延長を検討する。施設名は非公表。

 県生活衛生課によると、軽症者らが重症化した場合に備えて感染症指定医療機関に近い2ホテルを選定。周辺の住民や事業者に対しては、必要性やホテルの感染防御徹底など安全性を説明して理解を得た。反対意見はなかったという。
 軽症者や無症状の患者用の宿泊療養施設については、医療機関の限られた専用病床で重症者を優先的に受け入れるために、国が都道府県に確保を求めていた。県は八つの2次医療圏ごとに1施設ずつ計千床分を目標に、公募に応じた23施設2096床の中から選定を進めている。
 長崎市内では、別のホテルでも確保に向けて周辺住民らへの説明会を数回開いたが、住民らが風評被害などを懸念。県は今月上旬、調整をいったん中断した。
 壱岐医療圏(壱岐市)では公募とは別に、既に市所有の施設6床を確保しており、県内の軽症者用施設は計163床となった。県は今後、残る医療圏でも確保する方針。県医療政策課は「第2波、第3波に備え、感染拡大防止対策を図るとともに、県民の安心安全のため、医療、検査体制の拡充に努めたい」としている。


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