選手会が70試合制を提案 機構側のプランから10試合増

ESPNが日本時間6月19日に報じたところによると、メジャーリーグ選手会はメジャーリーグ機構に対して2020年シーズンを70試合制で開催することを提案したようだ。メジャーリーグ機構は18日の時点で選手会に対して60試合制を提案しており、両者のあいだには10試合の隔たりがあることになる。2020年シーズンの開幕に向けて、この隔たりをどのように埋めていくか注目される。

ESPNのジェフ・パッサンが関係者から聞いた話によると、今回の選手会の提案には、7月19日から9月30日まで70試合制でシーズンを開催すること、試合数に応じて100%の日割り給与を支払うこと、スプリング・トレーニングを6月26~28日に開始すること、今年と来年はポストシーズン出場枠を16球団に拡大すること、今年と来年はユニフォームへの広告掲載を許可すること、今年と来年は両リーグで指名打者制を採用することなどが含まれている。

また、選手にプレーするかどうかの選択権を与え、選手自身が「ハイリスク」の場合と、同居している家族が「ハイリスク」である場合には、プレーしなくても給与とサービスタイムが保証されることを要望。さらに、選手会と機構側の双方が、3月時点での合意を根拠として決定事項に対して異議申し立てを行う権利を放棄することも盛り込まれている。

選手会専務理事のトニー・クラークは「今回のオファーはプレー再開に向けた合意の基礎となるものであると信じている」と選手会が提示したプランへの自信を示したが、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは「日程や公衆衛生の状況を考えると、70試合制でのシーズン開催は不可能だ。これは彼(クラーク)にも伝えてあるけど、彼はそれにもかかわらず今回の提案を行ってきた」と困惑した様子を見せた。

専門家のなかには「感染のリスクを考えると10月以降に試合を行うのは望ましくない」と語る者もおり、機構側は60試合制から試合数を増やすことには否定的な姿勢を示している。両者の意見が一致している「7月19日開幕」に向けて、残された時間は多くないだけに、10試合の隔たりを一刻も早く埋めることが求められる。

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