佐世保 72時間雨量445ミリ 観測史上最大 崖崩れ相次ぐ

大雨で崩れた民家近くの崖=27日午前11時30分、佐世保市小島町

 梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で長崎県内は27日、大気の状態が不安定となり、佐世保市では午後9時までの72時間雨量が同地点としては観測史上最大の445ミリを記録した。県などによると、同9時現在、市内3カ所で崖崩れが発生したほか、高齢女性1人がけがをした。
 長崎地方気象台によると、午後5時までの1時間最大降水量は▽佐世保74ミリ▽芦辺47ミリ▽雲仙岳34ミリ-など。佐世保市と北松佐々町に一時、土砂災害警戒情報が発表された。
 佐世保市内では小島町で民家そばの崖が幅3メートル、高さ10メートルにわたって崩れるなど、同9時現在、崖崩れ3件が発生。白南風町では、90代女性が自宅のブロック塀に手を置いた際に塀が崩れて転倒、軽症を負った。
 一方、25日の大雨で市道に23メートルのひび割れが発生した御船町の4世帯5人が住む区域について同市は27日、崩落の恐れがあるとして警戒区域に設定。復旧工事が完了するまで立ち入りを制限した。
 JR九州は佐世保線と長崎線などの一部区間で一時運転を見合わせた。気象台は引き続き土砂災害への警戒を呼び掛けている。

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