長崎県高校野球大会 出場54チームの横顔・3 長崎南山、佐世保商、清峰、長崎明誠、上対馬、佐世保西、佐世保高専

強気の投球でチームを引っ張る長崎南山の磯木

◎長崎南山

 昨秋は準々決勝で優勝校の大崎に2-4で敗れた。練習試合を含めた“あと一歩”の悔しさを胸に雪辱を期す。注目はエース右腕の磯木蒼太朗。威力のある本格派で、持ち味の制球にも磨きがかかった。精神的支柱の主将、冨崎康寿が冷静にリードする。攻撃は新開直人、浜村光雅、辻智樹のチャンスメークが一つの鍵か。中村勝太や冨崎、磯木らが強打でかえす。

◎佐世保商

 今季は「シード破り」を目標にしてきた。今大会はフリー抽選だが、初戦で創成館と対戦。強豪相手に全力を尽くそうと、選手たちはやる気に満ちている。エース右腕で1番を打つ主将の樋爪描が攻守の生命線。上位で好機をつくり、主軸の末松弘惇と山田幸哉らが確実にかえしたい。中堅の末松は守備範囲が広く、遊撃の川口翔太は下級生主体の内野を引き締める。

◎清峰

 投げてはエース、打っては4番の主将、浅田和が大黒柱。上背はないが、直球に伸びがあり、普段の練習から先頭に立って引っ張ってきた。五島との1回戦は好勝負必至。守備範囲が広い遊撃の小宮吏喜を軸に、まずは守りでリズムをつかみたい。打線は好機で浅田に回せるか。小柄ながらも打撃センスが光る谷脇天我と谷川維蕗のルーキーら、下級生も楽しみな存在だ。

◎長崎明誠

 初戦で合同チームの平戸・猶興館と顔を合わせる。3年生のエース左腕、松本耀平を軸に守備からリズムをつくって15年ぶりの夏1勝を狙う。遊撃を守る主将の本川大将は打撃でチャンスに強く、小栁翔真は長打が期待できる。俊足の松尾信之介らがしっかり出塁して、得点に絡んでいきたい。松本以外の投手陣も右腕の吉田遼雅を中心に安定感が増してきている。

◎上対馬

 昨秋は3校合同チームで出場。今夏はソフトテニス部からの助っ人3人を得て単独で臨む。唯一の3年生でエースの財部祥多が、強気の投球でチームを引っ張る。バットでも昨春の1回戦で本塁打を放っており、その再現を狙う。初戦の相手は強豪の長崎南山。厳しい戦いも予想されるが、遊撃の縫田雄人らを中心に一つ一つ着実にアウトを取っていきたい。

◎佐世保西

 昨夏、昨秋とも初戦で涙をのんだ。3年生右腕の山本勝昭は多彩な球種で打たせて取る。太田悠翔、近藤稜友との継投で粘り強く戦いたい。攻撃は足も使ってかき回す。主将で一塁の橋元勝美が攻守の柱。バットでは長打力が光り、走者をためて打席を回せるか。マネジャーの原田奈々は中学で野球経験があり、内野ノックもこなしてチームを鼓舞する。

◎佐世保高専

 コロナ禍で全体練習の時間が限られたが、4、5年生や専攻科の先輩たちと紅白戦を重ねてチーム力を養った。初戦は島原中央-島原工の勝者と対戦。長身右腕の松葉孝太郎を軸に、ロースコアの展開に持ち込みたい。守備は三塁の中山優也が全体を引っ張る。攻撃陣は主将でリードオフマンの西村斗茂志、一発がある山村翔大らが上位で得点を狙う。

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