角田裕毅、FIA-F2第2戦予選で初ポール獲得「大きなステップになった。今回はミックに感謝しないと(笑)」

 今季からF1への登竜門として知られるFIA-F2選手権に参戦する角田裕毅選手が、第2戦オーストリアで見事にポールポジションを獲得した。同じレッドブルリンクで1週間前に行われた第1戦の開幕戦では今回同様、フリー走行でトップタイムを叩き出しながらも、予選では遅いクルマに引っかかるなどして、角田はその速さを活かせず12番手に終わっていた。だが、今回は見事に、その雪辱を果たした形となった。

──FIA-F2参戦2戦目にして、初ポールを獲得しました。
角田裕毅(以下、角田):素直にうれしいです。先週は速さはあったのに結果に結びつかず、すごく悔しい思いをしたので、今回はコース上での位置確認も含めて改善がしっかりできました。走りにも集中できました。FIA-F3も含めてFIA選手権ではこれが初ポールですし、僕にとって大きなステップになったと思います。

──予選を振り返ってください。
角田:1セット目のタイヤで真っ先に出走できたのが、すごく大きかったですね。前に誰もいない中、タイヤの温めと走りのペースに集中できましたから。今週はスーパーソフトなのでタイヤが1周で終わってしまうのかな、というのが僕とチームの事前予想でした。ところが意外にグリップが保って、2回目にアタックした1コーナーでもいいフィーリングが続いていたので、そのまま全力でプッシュして、そのタイムが結果的にポールタイムになりました。2セット目に履き替えて、もちろんタイムを更新を狙ったんですが、1プッシュ目はコースからはみ出してタイムが抹消され、2プッシュ目はタイムが伸びなかったですね。

──第1戦からタイヤが変わったことによるフィーリングの変化はありましたか?
角田:グリップは全然違いましたね。特に最初のアタックの際、ターン1やターン3のブレーキングですごくよく止まる感触を得られました。そこで自分の走りを適応できたのが、ポールにつながったのかなと思います。

──フロントロウに並ぶ2番手の周冠宇選手は、ミック・シューマッハーに引っかかるまでは区間最速でした。
角田:会見でも「ミックにターン3で邪魔された」と言ってましたね。もしかしたらそれがなかったら、ポールは取られていたかもしれない。先週の僕はミックに邪魔されましたけど、今回は感謝しないといけないですね(笑)。ただ逆に言えば、そこまでの周選手はスリップに付いていたおかげで、区間ベストを取れたとも言えるわけです。僕は誰にも引っ張ってもらわない中で、あのタイムを出せた。それは大きな自信になりますね。ドライビング自体はほぼノーミスでした。

──2戦続けてフリー走行トップタイムでしたが、セッティングを変えたりはしましたか?
角田:特に変更はなかったですね。カーリンのクルマは走り出しから速かったですから、大きく変える必要はなかったですね。

──土曜のレースは大雨の予報です。
角田:雨のF2は未経験ですが、チームのアドバイスを聴きながら準備をするつもりです。

──対照的に日曜日は晴天の予報です。もし土曜日のレースが日曜に延期になった場合、タイヤマネージメントなどに不安はありませんか?
角田:バーレーン(公式テスト)でソフト系タイヤのテストをしてますから、その経験が生きると思います。バーレーンもタイヤに非常に厳しいですしね。先週はまったくタイヤがタレないレースでしたけど、今回はさすがにそういうわけにはいかない。厳しい戦いになるでしょうけど、最高の結果を出せればと思います。

2020年FIA-F2 角田裕毅(カーリン)
角田裕毅(カーリン)
レッドブル・ジュニアでFIA-F2に参戦する角田裕毅(カーリン)

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