2019年 五島の観光客最多25万人 世界遺産、修学旅行好調

 2019年に五島市を訪れた観光客数は、04年の新市発足後に最多となった18年よりも5.2%多い25万2657人と、2年連続で過去最多を更新した。18年に世界遺産登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産などへの来訪者が増えたことや、体験民泊を目玉とする修学旅行誘致が順調なことなどが要因とみられる。
 市がまとめた観光統計によると、近年の観光客数は▽16年20万6555人▽17年21万3371人▽18年24万131人と増加。19年を季節別に見ると、冬季(1~3月)が前年比11.9%増の4万9352人、春季(4~6月)が同21.3%増の6万5511人と大きく伸び、悪天候が続いた夏秋は微減となった。
 19年に市内2カ所の潜伏キリシタン関連遺産の構成資産を訪れた人は、「旧五輪教会堂」が2万658人、「江上天主堂」が1万6604人でいずれも前年から3~4割ほど増えた。
 修学旅行生の受け入れ数は35校5337人で、過去最多だった前年の26校4129人を上回った。ただ市によると、修学旅行生を受け入れる民泊家庭の高齢化が進み、将来的な受け入れ家庭の確保も課題となっている。
 19年の推計観光消費額も92億606万円(前年比6.1%増)で過去最高となった。一方、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、1~5月の客数が19年と比べて5万人以上減少。夏に向け、宿泊施設の予約数も例年通りには戻っておらず、先が見えない状況が続いている。

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