メジャー20年目のシーズン プーホルスの衰えない情熱

2001年にメジャーデビューし、ナショナル・リーグの新人王に輝いたアルバート・プーホルス(エンゼルス)は今年、メジャー20年目のシーズンを迎える。MVP3度、オールスター・ゲーム選出10度など輝かしいキャリアを過ごし、史上唯一の「650本塁打&650二塁打」を達成したプーホルスだが、40歳となった現在も野球への情熱は衰えていない。

プーホルスの20年目のシーズンは新型コロナウイルスの影響によって60試合制という異例の形で行われることになった。あと44本に迫っている通算700本塁打など、各種記録の達成に与える影響が心配されているが、プーホルスは「残念だとは全く思っていない。アメリカだけでなく世界中の問題なのだから、『残念』という言葉を使うのは自己中心的だと思うんだ。僕が目指すのは個人の記録ではない。チームの勝利に貢献することだからね」と周囲の心配など全く意に介さない。

カージナルスで11年間、エンゼルスで8年間プレーし、通算3202安打、打率.300、661二塁打、656本塁打、2075打点、OPS.927を記録。しかし、プーホルスにとって個人の記録はそれほど重要ではない。また、エンゼルスとの10年契約の満了とともに現役を引退することを予想する声も聞こえるが、プーホルスは「40歳だからキャリアの終わりは近付いていると思う。でも、過去2年半は健康に過ごすことができているし、手術を受けることもなかった。一生懸命トレーニングしているし、まだ25歳のような気持ちだよ」と語る。

「僕は野球というゲームを愛しているんだ」とプーホルス。「妻や親しい友人は、私が野球への欲望や飢え、情熱を失った場合、それがキャリアの終わりになることを知っている。球場に来てチームメイトとプレーしても飢えや喜び、情熱を感じないのであれば、そのときには引退するよ。でも、僕はまだ2001年にカージナルスでデビューしたときのような気持ちを持っている。僕はまだあの日の飢えや情熱を持ち続けているんだ」と野球への愛情や情熱を熱弁した。

球史に残る大打者として素晴らしいキャリアを過ごしてきたプーホルス。終わりが近付いていることは間違いないが、もうしばらくのあいだ、輝かしいキャリアは続いていきそうだ。

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