コロナと小児科医療 「子どもの重症化リスク低い」 長崎大学病院 森内教授

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「大人の都合で子どもを犠牲にしていることを、頭に置いて」と話す森内教授=長崎市、長崎大学病院

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生に伴う長崎みなとメディカルセンター(みなとメディカル、長崎市)の診療休止を受け、救急を含めた同市や周辺の小児科医療に関しては、長崎大学病院(同市)を中心とした補完態勢が取られている。小児科・感染症の専門家で、同大学病院小児科の森内浩幸教授(60)に、具体的な対応や、子どもとコロナを巡る論点について聞いた。

 -みなとメディカルの診療休止への対応は。
 普段は主に、長崎大学病院が基礎疾患を持っている子を受け持ち、みなとメディカルが健康な子の疾患に対応する“すみ分け”をしている。長崎市夜間急患センターの小児患者については、平日夜に入院が必要になった場合、みなとメディカルが対応。週末は基礎疾患の有無にかかわらず、大学病院が受け持ってきた。
 みなとメディカルの診療休止中は基本的に、夜間の入院は大学病院でみる。代わりに、昼間は他の病院で引き受けてもらっている。現状は何とか、このままやっていけると思っている。

 -感染拡大後、小児科全般においては、どんな対応をしているのか。
 子どもに関しては、新型コロナウイルスで重症化することはほとんどない。ただ、いわゆる医療的ケア児は密着しての対応が避けられず、重症化のリスクを考えなければならない。(リスクの高い妊産婦や乳児に対応する)周産期も、まったく違う取り扱いになる。医療的ケア児、周産期、一般小児との3分野で、それぞれ関係者と協議しながら対応している。幸い、大きなトラブルはない。

 -子どもが重症化するリスクは、どの程度か。
 ゼロではないが、私たち小児科医が一番恐れている呼吸器ウイルスはRSウイルス。その次はインフルエンザで、新型コロナは、そのほかにたくさんある呼吸器ウイルスの一つにすぎない。しかし、子どもから祖父母などにかかったときには、普通の風邪のようにはいかない。それが心配だ。

 -感染禍は長期化しそうだ。子どもへの影響は。
 子どもに関しては普通の風邪だが、お年寄りへの感染を防ぐために子どもにマスクをずっと着けさせるなど、我慢を強いている面がある。しかし、屋外でずっとマスクをしていると熱中症の方が心配。飛沫(ひまつ)感染が起こり得ない状況では、デメリットが大きい。
 また、成長発達の過程にある子どもが、友達との触れ合いの機会が減り、マスクを着けた状態でしか友達や先生の顔を見られないと、表情から感情を理解できない大人に成長する恐れもある。子どもを犠牲にしていることを頭に置き、どこまで我慢を強いるべきかを考えたい。