鹿町工 力出しきった エース中村 笑顔で粘投

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【決勝、鹿町工-大崎】最後まで投げ抜いた鹿町工のエース中村=県営ビッグNスタジアム

 初めて臨んだ夏の決勝。鹿町工は昨秋王者の大崎に真っ向勝負を挑んだ。頂点には届かなかったが、大樂院監督は「胸を張れる結果。今の力を最大限発揮してくれた」と選手たちをたたえた。
 この日もエース中村が先発マウンドに立った。指揮官が「決勝も中村でと決めていた」と信頼する右腕。試合巧者の大崎にじりじりと点差を広げられたが、無失策の守備にも支えられて粘りの投球を披露した。
 球数が120球を超えて迎えた八回、疲れはピークに達していたが、安打と犠打で1死二塁とされた場面で、全速力でマウンドに向かってきた伝令の池野が一発ギャグ。「気が楽になって、思いきり投げようと思い直した」。このピンチを切り抜けて「調子が悪くても、笑顔でやりきれた」とすがすがしかった。
 父の貴泰さんも鹿町工OBで元球児。試合のたびに撮りためてくれたビデオを見て、自分の投球を磨いた。貴泰さんは「鹿工は自分たちの時から常に『全力』が合言葉だった。決勝までいってくれて感謝しかない」とチームの奮闘に目を細めた。
 大会の1カ月前は練習試合でも思うように勝てなかった。それでも、主将の百合永、ゲームキャプテンの山下を中心にまとまり、大会を通じて成長を見せた。全力を出しきった夏。百合永は後輩たちに「ひた向きにやって、自分たちの結果を超えてほしい」と思いを託した。