鎮西学院 原爆犠牲者慰霊碑に募金贈る 諫早被災協が8日建立

鎮西学院に寄せられた募金と折り鶴を森会長に贈る鐡口主事(右)=諫早市内

 諫早市の学校法人鎮西学院(姜尚中学院長)は3日、市内で原爆犠牲者の慰霊碑の建立を進めている市原爆被災者協議会(諫早被災協)に生徒や教職員から寄せられた募金53万2684円と折り鶴を贈った。長崎原爆で生徒らが犠牲となった同学院の被爆75周年記念事業の一環。
 慰霊碑は長崎原爆直後、諫早で息絶えた犠牲者を葬った旧市営火葬場跡の百日紅公園(天満町)に今月8日に建立する。
 建立を呼び掛けた諫早被災協の清水多喜男前会長が5月に死去。同学院の栗林英雄理事長が清水さんの遺志と建立を支援する市内の被爆2世に共感。系列の幼稚園と高校、長崎ウエスレヤン大の在籍者約1600人や保護者、教職員に募金への協力を呼び掛けた。
 募金の寄贈式を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。同学院の鐡口宗久総宗教主事が3日、長崎被災協・被爆二世の会・諫早の森多久男会長に募金を届けた。
 鐡口主事は「原爆当時、諫早で何が起きたかということを慰霊碑が立つ公園で知り、思いを継承することが平和を自ら作り出すために大切」と話した。森会長は「高校生が校内で募金箱を持ち、呼び掛けてくれたと聞き、感動した。この縁を大切に、ともに学びを深めたい」と礼を述べた。

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