通算311勝の名投手・シーバーが75歳で死去

通算311勝をマークした殿堂入りの名投手、トム・シーバーが現地時間8月31日に亡くなっていたことが明らかになった。75歳だった。アメリカ野球殿堂はシーバーの死因を「レビー小体型認知症と新型コロナウイルスの合併症」と発表している。

シーバーはメッツ、レッズ、ホワイトソックス、レッドソックスの4球団で合計20シーズンにわたってプレーし、311勝205敗、防御率2.86を記録。オールスター・ゲームに12度選出され、通算3640奪三振は歴代6位の数字だが、現役引退時点ではノーラン・ライアンとスティーブ・カールトンに次ぐ3位にランクインしていた。

最多勝を3度、最優秀防御率を3度、最多奪三振を5度獲得し、1967年に新人王、1969年、1973年、1975年にはサイ・ヤング賞を受賞。「通算300勝・通算3000奪三振・通算防御率3.00以下」を達成しているのはシーバーとクリスティ・マシューソンの2人だけであり、16度の開幕投手はメジャー記録となっている。

1969年は自己最多の25勝を挙げる大活躍で「ミラクル・メッツ」と呼ばれたチームの奇跡的な快進撃に大きく貢献。1988年には背番号「41」がメッツ史上初の永久欠番となり、1992年には歴代最高(当時)の得票率98.8%(425/430)でアメリカ野球殿堂入りを果たした。また、1970年には10者連続三振のメジャー記録も樹立している。

データサイト「Baseball-Reference」によると、シーバーが投手として記録した総合指標WARは106.0で、歴代7位にランクイン。これを上回るのはサイ・ヤング、ウォルター・ジョンソン、ロジャー・クレメンス、キッド・ニコルズ、ピート・アレクサンダー、レフティ・グローブの6人で、シーバーの数字はグレッグ・マダックスやランディ・ジョンソンを上回っている。また、メッツ時代に78.8を記録し、2位のデービッド・ライト(49.2)に大差をつけて球団歴代1位となっている。

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