路上でテークアウト販売 長崎市が基準緩和 12日、駅前商店街でイベント

大黒町青空マルシェのチラシ

 長崎市は新型コロナウイルス禍の影響を受ける飲食店などを支援する緊急措置として、道路占用の許可基準を緩和している。店舗前の路上で、テラス席を設けたりテークアウトを販売したりすることが暫定的に可能になった。12日には、長崎市の長崎駅前商店街で、制度を活用したイベントが開かれる。
 国土交通省は6月、道路占用の許可基準を緩和。「3密」回避のため屋内の座席を減らすなどした店が、屋外での飲食やテークアウト販売に取り組みやすくした。期間は11月30日まで。道路管理者である地方自治体に協力を要請していた。
 長崎市は8月から、道路使用申請の受け付けを開始した。対象は地元関係者でつくる協議会や商店街などの民間団体単位で、個別の店舗ではできない。歩道にテーブルなどを設置する場合は、原則2メートル以上の歩行スペース確保が必要だが、確保できない場合は誘導員を配置するなど柔軟な対応を求めている。また新しい生活様式を取り入れ、付近の清掃に協力することなどが条件。占用料は免除。
 12日に長崎駅前商店街であるテークアウト販売イベント「大黒町青空マルシェ」は、地元自治会や商店街組合などでつくる実行委員会が制度を活用。商店街の路上約80メートルを歩行者天国にし、テントで13店舗の飲食物を販売する。商店街入り口では検温を実施する。
 市土木総務課によると、制度について商店街などに文書で通知し、申請はこの1件だが、個別の店舗から問い合わせがあるという。同課は「道路を利用するので地元の理解は不可欠。地域を巻き込んで、ぜひ活用してほしい」としている。

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