アマゾンアレクサ対応のアリア! クルマの使い方が超変わるゾ【未来モビリティ総研】

日産 アリア

北米じゃ当たり前の装備が上陸!

全長4595×全幅1850×全高1655mmで、現行モデルに例えるとエクストレイルとほぼ同サイズといったイメージ

「アレクサ、今日の天気は?」なんてフレーズをテレビCMなどで一度は聞いたことがあるだろう。これは、ネット通販超大手のアマゾンが開発した音声認識検索エンジンなのだが、コレをアリアは標準装備するのだ。

実は、北米市場ではフォードをはじめとするメーカーのクルマにはかなりの確率で搭載されているのだが、日本発売のクルマとしてはコレが初。

一体アレクサ搭載で何ができるのか?

物理ボタンを可能な限り排除し、これまでになくスッキリとしたインテリアとなったが、基本操作は音声検索という考えのようだ

ナビやオーディオ操作、さらには空調といったアレクサでできるコトはメルセデス・ベンツが推し進めているMBUXと基本的には同じ。

だがアマゾンアレクサはそれに加えて、出発前に自宅からナビの目的地設定やエアコン操作などができるのだ。さらに、運転中に自宅の照明やエアコンの操作といった逆のアプローチも可能だという。

CD/DVDは再生不可! CD世代の人はついていけるか?

カローラのオーナー平均年齢は60歳オーバー。それだけに、当初ディスプレイオーディオを標準としていたが、「CDを聞きたい」との声があまりに多かったため、オプションでCDプレイヤーを追加したほど。果たしてアリアはどうなるのか……

2018年デビューのカローラシリーズから順次採用されているディスプレイオーディオだが、その流れは日産にも波及してきた。そう、アリアもCDやDVDの再生は一切不可なのだ。

アリアで使えるのはスマホやMP3プレイヤーをUSBないしはBluetooth接続で音楽を楽しむというのは基本のスタイルとなる。

12.3インチディスプレイが2枚組み合わされ、それぞれ表示するコンテンツをカスタムできるのがウリ。メーター部分にナビ、センターモニターにインフォテインメントなども可能

だが、先にも述べたがアリア最大の武器はアマゾンアレクサに対応しているコトで、アマゾンミュージックの再生も行えるのだ。コレに関してはアリア自体に通信機能があるため、スマホ接続はなしでも使えるという。

個人的にはせっかくアマゾンアレクサを搭載したのだから、アマゾンプライムビデオにも対応してほしいかったところ。フロントのディスプレイに表示させるのが法規的に厳しいのであれば、後席用モニターをオプションで用意し、あくまで後席専用の機能として考えてくれればいいのだが、現状その予定はないという。

スマホなしでは使い切れない機能も!

もちろんスマホとの連携も抜かりない。アリアオーナー専用のアプリとクルマを連携させることで、シームレスなドライブを楽しめるのも特徴だ。

例えば、東京から青森まで旅行にいくとする。その際はスマホアプリで目的地設定をし、その情報をアリアに転送すれば、クルマに乗ったそばから目的地が設定されるという優れモノ。さらに、充電スポットや充電時間といった経由地もクルマ自らが考えてルートを引いてくれるので、電欠の心配もないというワケだ。

ただ、ひとつ個人的に気になったのが、推奨される充電スポットはあくまで新車時のバッテリー能力で算出されるという点だ。EVは既存の内燃機機関のクルマとは異なり、数年経てばスマホなどと同じようにバッテリーが経年劣化し、航続可能距離が下がってしまううこともあるからだ。可能ならば、経年劣化を考慮したルートを推奨してくれればいいのだが、現在の開発段階ではそこまでは考えていないという。発売まで1年あまりあるので、数年乗った後のオーナーのための機能にも注力してもらいたい。

これまで奇抜な見た目や走行性能ばかりに注目が集まっていたが、コネクテッド機能もかなりのモノ。アリアのデビューをキッカケに、かつての元気な日産に蘇って欲しい。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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