自民総裁に菅氏 長崎県内政界反応 与党「安倍路線」進めて 野党 説明責任を果たせ

 自民党新総裁に菅義偉氏が選出された14日、長崎県内政界関係者や県民からは新型コロナウイルス対策や地方の課題解決に期待感が示される一方、安倍政権の「負の遺産」の踏襲を懸念する声も上がった。
 「全力投球で頑張ってくれるだろう。安倍総裁がこれまでやってきたことをさらに前に進めてほしい」
 自民党県連会長の北村誠吾衆院議員(長崎4区)は新総裁への期待を口にしつつ、衆院解散の時期については「そう遠くないだろう」と淡々と語った。外間雅広幹事長は「大衆庶民の気持ちが分かる政治ができる実力派。そういう方が安定、安心の政治を行うのは心強い」と歓迎。公明党県本部の川崎祥司幹事長は「新型コロナの感染対策、経済対策と併せて、地方の課題も取り上げてくれると期待している」と持ち上げた。
 一方、野党関係者達は引き続き森友、加計学園問題などを追及する姿勢を強めつつ、衆院解散を見据え気を引き締めた。
 旧立憲民主党県連の山田勝彦元代表は、桜を見る会や森友、加計学園問題に触れ「安倍政権の継承を掲げる菅氏にはしっかり説明責任を果たしてほしい」とし、「菅氏はわれわれにとって対立軸を示しやすい相手。次期衆院選に備え、県内での態勢づくりを進めていく」と力を込めた。
 新「国民民主党」への入党を決めた西岡秀子衆院議員(長崎1区)は「喫緊の課題である新型コロナ対策は、野党の案であっても積極的に取り入れていただきたい」と注文。「(菅政権の)実績がないまま総選挙をするのであれば、安倍政権の評価を問う選挙になる」と指摘した。
 旧国民民主党県連の資産などを継承した政治団体「県改革協議会」の深堀浩事務局長は「菅氏の総裁選圧勝は国民の支持とイコールではない。安倍政権では格差が拡大しており、野党は国民本位の現実的な政策を打ち出して次の総選挙に臨まなければならない」と述べた。共産党県委員会の山下満昭委員長は「安倍政権を継承するというだけで独自性に乏しい」と感想。菅氏が掲げた「自助・共助・公助」については「政府が自己責任を国民に押し付けているようだ」と眉をひそめた。

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