電気自動車が「電欠」になった時にどうする? やるべき事・やってはいけない事とは

Honda e concept(ホンダ 小型電気自動車)【Honda Meeting 2019(2019年7月4日)/会場:本田技術研究所 ライフクリエーションセンター(埼玉県和光市)】

電欠の際にはどうしたらいいのか

※写真はイメージです

EVには通常、クルマの走行用モーターに電力を供給する「モーター駆動用バッテリー」とガソリン車と同じ「補器類用バッテリー」を備えています。

補器類用バッテリーが上がった場合は、救援車から電気の供給を受けるジャンピングスタートの方法で対応できます。ただし、モーター駆動用バッテリーの残量がなくなってしまった場合に同様にはいきません。

JAF(日本自動車連盟)によると『モーター駆動用バッテリーが上がってしまった場合ですが、こちらは電圧がとても高く、ユーザーが触れると危険な部分もあります』とのこと。

むやみに触らずメーカーのサポートプログラムに電話をするか、JAFなどのロードサービスを利用するのが安全で確実です。自動車保険に付帯しているロードサービスの多くは、EVの電欠時にレッカーを手配できるようになっています。

なぜレッカー手配なのでしょうか? ガス欠の場合は給油さえすれば、その場で走ることができます。しかし、EVの場合は充電に時間が掛かり、現場での応急対応ができません。そのためレッカーに最寄りの販売店または急速充電器の設置所まで搬送してもらい、そこで充電をするのです。

搬送してもらった先では、急速充電器のケーブルが届く位置にクルマを移動してもらえるように依頼しましょう。すぐそばに急速充電スタンドがあるのに、ケーブルが届かないとなった場合、1人でクルマを移動させるのは大変ですからね。

救援を待つ間にやるべきこと

安全な場所に停車させる

駆動用のバッテリーが切れた場合、駆動用のモーターの力でクルマを動かすことができなくなります。可能であればバッテリー残量がなくなる前に、安全な場所に停車させて救援を呼びましょう。

もし安全な場所に移動する前に走行できなくなった場合は、シフトポジションをNレンジに入れ、クルマを手で押して移動させます。

電源のポジションをオフにする

そして救援を待つ間は、アクセサリーをONにせず、電源のポジションをOFFにしましょう。駆動用バッテリーが電欠になっても、補器類用の12Vバッテリーは使用可能です。ですが、そのまま使用していると当然バッテリーが上がってしまいます。その場合、駆動用バッテリーを充電したとしてもクルマのシステムを起動できずに走ることができなくなり、補器類用バッテリーを充電するために、再度救援してもらう必要が出てきてしまいます。

いかがだったでしょうか? 充電施設や走行可能距離が伸びたとはいえ、電欠の可能性はゼロではありません。万が一、電欠をしてしまった場合は下記のように対処しましょう。

・むやみに駆動用バッテリーに触らずに、ロードサービス等を利用する

・アクセサリーをONにせず、電源のポジションをOFFにする

・安全な場所に移動させる(できない場合はシフトをNレンジに入れて、クルマを押して移動させる)

電欠となると復旧までに多くの時間が掛かります。EVでお出掛けする際は、走行可能距離の50kmを切ったら、早めに充電スタンドの利用をしましょう。

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