多彩な書法、高い力量 諫早市美術・歴史館 廣津雲仙展

生誕110周年を記念した廣津雲仙展=諫早市美術・歴史館

 諫早市高来町出身の書家、廣津雲仙(1910~89年)の生誕110周年を記念した展覧会が、市東小路町の市美術・歴史館で開かれている。幅広い種類の書法で書かれた26点が展示され、日本を代表する書家の軌跡を堪能できる。
 廣津は関西を拠点に活動し、日展審査員を長く務めたほか、日本芸術院賞などを受賞。主宰する書道団体「墨滴会」では多くの後進を育て、81年、旧北高高来町名誉町民賞に選ばれた。
 同館での開催は2015年に続き2回目。今回は、昭和30年代から60年代に書かれた市所蔵作品を中心に展示。漢詩や律詩など中国の古典を題材にした作品は、楷書や草書、丸みのある文字の篆書(てんしょ)など多彩な書法で書かれ、廣津の高い力量を今に伝えている。
 同館は「さまざまな書法を間近で見ることができる。ぜひ子どもたちに見てほしい」としている。10月11日まで(火曜休館、9月22日開館のため23日休館)。観覧無料。

© 株式会社長崎新聞社