「BTS.園田」に最高賞 ながさき農林業大賞 南島原で肉用牛繁殖

「出荷頭数や平均単価をもっと上げたい」と語る園田さん=南島原市深江町

 地域の特性を生かした先進的な経営、生産方法を導入している農林業者を表彰する本年度「ながさき農林業大賞」で、肉用牛の繁殖に取り組む長崎県島原市北安徳町の「BTS.園田」(園田裕司代表取締役)が最高賞の農林水産大臣賞・知事賞に決まった。繁殖の段階別に牛群を管理する手法の導入や、冷暖房完備の哺育舎建設などを進め、経営規模を拡大してきた実績が評価された。表彰式は11月14日に長崎市内である。
 同大賞は県やJA県中央会などでつくる運営委が表彰し、15回目。「BTS.園田」がエントリーした畜産部門をはじめ、野菜や果樹など計15部門に44の個人・団体が応募。このうち10部門で各知事賞が決まり、その中から最高賞1件を選定した。
 園田さんは県の畜産技術職員を経て、2005年に就農。父の代から続く酪農を引き継いで以降、肉用牛の繁殖も開始した。13年には約140頭を飼育する畜産専業に転向。種付けから出産まで、繁殖段階別に三つのグループに牛群を分けて管理する手法の導入後、分娩(ぶんべん)間隔を県平均より30日短い365日とすることに成功した。
 また、冷暖房完備の哺育舎整備によって、温度変化による子牛の発育不良を防ぎ、市場平均を上回る販売価格の達成を実現。現在は南島原市深江町で、繁殖342頭を飼育している。
 園田さんは「いろいろな苦労があったが、受賞はうれしい。出荷頭数や平均単価をもっと上げたい」と話した。

 他9部門の知事賞は次の通り。(敬称略)
 ▽露地野菜=圍初喜、みや子、勇樹、静香(諫早市)▽施設野菜=菅秀夫、美樹、大地、舞(島原市)▽果樹=茅原俊文(佐世保市)▽花き=永田龍之介、郁枝(島原市)▽特産=中山雄太(東彼東彼杵町)▽林産=内山林業合同会社(対馬市)▽しまの農林業経営=梶田幸孝(壱岐市)▽産地集団=島原雲仙農協なんこういちご部会(雲仙、島原市)▽農林村地域保全=雲仙百年の森づくりの会(島原市)

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