サンルームとは?リフォームの方法や増築費用、メリット・デメリットを解説

天候や花粉など外の環境を気にせず、太陽の光や外の雰囲気を感じられるサンルームは、人気があるリフォームのひとつです。見た目がおしゃれなだけでなく、天気を気にせず洗濯物が干せる実用性を兼ね備えている点も人気の理由です。この記事では、リフォーム費用の相場はもちろん、サンルームを増築するとどのようなメリット、デメリットがあるのか解説します。

サンルームとは

サンルームとは、太陽の光を取り入れられるように、ガラス張りやポリカーボネート張りになった部屋を指します。さまざまな種類のサンルームが展開されている昨今では、「ガーデンルーム」と呼ばれることも。一般的には、リビングの掃き出し窓から庭への続きに面して設置されたり、ベランダに設置されたりするケースが多く、リフォームで増築されることも多いです。

サンルームは洗濯物干しスペースとして活用するほか、ダイニングセットを置いてカフェスペースにしたり、子どもの遊び場にしたりと、アイデア次第で多くの活用方法があります。日当たりがよく雨も当たらないため、植物を育てるのにも適しています。ライフスタイルに合わせて使い方を変えられるのも、サンルームの魅力です。

サンルームの種類

サンルームには大きく分けると、従来のガラス張りの「ノーマルタイプ」をはじめ、テラス屋根の周りやウッドデッキ周りをポリカーボネートで囲う「テラス囲みタイプ」、既存のバルコニーやベランダに設置できる「バルコニータイプ」の3種類があります。タイプごとに、それぞれの特徴を解説します。

ノーマルタイプ

ノーマルタイプは、ガラス張りで施工されたサンルームで、住宅と同じ基礎構造や建築基準に沿ったコンクリートを型枠に流して施工する「布基礎」をした上に設置するタイプです。水密性や気密性も高く、部屋の続きとして快適に活用しやすいのが特徴です。作りがしっかりしている分、施工日数は長く、費用は高くなる傾向にあります。

ノーマルタイプのサンルームは「取り付け」というよりも「住まいの増築」と捉えるほうがイメージがしやすいでしょう。一般的にノーマルタイプは、建築物としての構造体として考えられるため、ベランダへの設置はできず、室内の掃き出し窓から庭への続きに面して設置されます。壁面の一部にドアを設けて、庭へ出られるようにした「ガーデンルーム」も人気です。

テラス囲みタイプ

テラス囲みタイプは、地面から直接設置するサンルームではなく、テラス屋根に囲いをつけたものを指します。テラス屋根とその柱、補助柱のみで支えているので、素材も重たいガラスではなく、ポリカーボネートのように軽いものです。そのため、ノーマルタイプのサンルームに比べ、水密性や気密性は劣ります。とはいえ、普段の雨風は十分にしのげるレベルなので、洗濯物を干したり、子どもの遊び場にしたりするのは問題ありません。また、施工期間や費用は、比較的安く済むことが多いです。メーカーによっては、換気扇や温度上昇を緩和させる日除けなど、多種多様なオプションも用意されており、希望に沿ったサンルームが作れます。

バルコニータイプ

バルコニータイプは、家のベランダやバルコニーに直接取り付けるものを指します。テラス囲みタイプと同様、ポリカーボネート製が一般的です。庭がない家にもサンルームを設置できるので、人気があります。注意しなければならないポイントは、2階のバルコニーにしか設置できない点です。テラス囲みタイプと同様、土台を構築しなくても済むので、施工期間や費用面は比較的抑えられますが、3階以上のバルコニーには設置できません。バルコニーの形状によっては、取り付けが制限されることもあります。

サンルームの増築リフォームに必要な費用相場

サンルームを検討するうえで、誰もが気になるのが費用。新たにサンルームを増築リフォームするには、サンルーム本体の価格だけでなく、設置する際に業者へ支払う施工費用も計算しなければなりません。ここからは、増築そのものにかかる費用相場とオプション費用について解説します。

サンルーム本体の増築にかかる費用

サンルームのタイプや広さによっても異なりますが、サンルーム本体の増築にかかる費用は、本体価格+取り付け施工費を合計した金額です。取り付け施工費用は、サンルーム本体の価格の約80%が相場となっていることが多いですが、サンルームの広さや取り付けの場所、形状などで変動します。業者によっても異なるため、複数の業者から相見積もりを取って、納得できる値段と施工内容で決定するのがおすすめです。また、既存のテラスやバルコニーをいったん解体して新しくする場合は、解体費用も加算されます。いくつか例を出すと、既存のバルコニーを囲う一般的な「バルコニータイプ」で、洗濯物が干せるスペースのサンルームを設置する場合は65万~90万円程度、1階部分にある程度自由がきく広い1室を作るなら、最低でも150万〜180万円程度必要です。

物干しや換気扇などのオプションの費用

希望通りにサンルームを作るとなると、基本的な費用とは別に、オプション費用がかかります。サンルームのオプションは、洗濯物が干しやすくなる「物干し」や外からサンルーム内を見えにくくしたり、直射日光を避けたりするための日よけとなる「カーテンレール」、湿気が多い梅雨の時期でも洗濯物を乾きやすくする「換気扇」などが一般的です。物干しのオプションをつけるといっても、背の低い人でも干しやすい可動物干しにするか、使わないときはコンパクトに折り畳める物干し棚にするかによっても費用は異なります。メーカーによっても費用は前後しますが、可動式の物干しで約6万円、換気扇は約3万円、夜間でも使えるように照明を設置するなら約10万〜20万円が相場です。これらのオプションは、基本的に本体の設置費用とは別扱いとなるので注意しましょう。業者に依頼する前に、絶対外せないオプションは何か、サンルームを作る目的をしっかり決めた上で話し合っておくと安心です。

サンルームはDIYでリフォームできる?

サンルームを増築リフォームするには、ある程度まとまった費用が必要です。費用相場を知って、意外と費用がかかることに驚いた方も多いのではないでしょうか。そこで、DIYでサンルームを増設しようと考えられる方も少なくありません。結論をいうと、サンルームの施工にはかなり高度な専門知識が必要なため、DIYはやめておくほうが賢明です。

サンルームは、基礎工事がしっかりとできていないと、雨漏りや腐食のリスクが高くなります。施工が完璧にできていないと、強い風が吹いたときにサンルームの一部が飛んでしまったときに近所の住居を破壊したり、他人にケガをさせてしまったりする可能性があります。トラブルや事故を起こさないためにも、必ず施工実績が豊富な信頼できる業者に依頼してリフォームしてもらいましょう。

サンルーム増築のメリット

自然に囲まれたスペースが心地良い

サンルームが人気な背景には、さまざまなメリットがあります。ライフスタイルや家族構成に合わせて多種多様な使い方ができるサンルームですが、生活をより楽にしてくれる、より豊かにしてくれるメリットをふたつ厳選して紹介します。

洗濯物の室内干し空間として使える

サンルームを増築した人の中でも、多くの人が実感しているメリットは、洗濯物を室内干しできる点です。洗濯物を外干ししている人は、突然の天気の崩れで洗濯物を台無しにしてしまった経験があるのでは? サンルームに洗濯物を干せば、突然の雨でも洗濯物が濡れる心配がありません。とくに、日中仕事へ出かけていて家にいない人は、重宝するでしょう。日光は当たるものの、全面が覆われているサンルームは、花粉やPM2.5、車の排気ガスからも洗濯物を守れるので、花粉症や敏感肌の方はもちろん、肌の弱い小さな子どもがいる家庭でも安心して天日干しが可能です。

室内干しはニオイが気になる人も、サンルームであれば太陽が当たるので雑菌が繁殖しにくく部屋干し臭も防げます。外干しの良い点と、室内干しの良い点を併せ持った場所がサンルームなのです。必要に応じてオプションでカーテンレールをつけておけば、外から見られたくない下着も安心して干せます。単純に洗濯物を干すスペースを広げることにもつながるので、家族が増えたタイミングで増築リフォームを考えるのもおすすめです。

植物用の温室にピッタリ

ガーデニングが好きな人なら、サンルームを植物用の温室にするのもおすすめです。植物は光合成をするので、日の当たるサンルームでは、元気に生き生きと育ちます。サンルームにダイニングセットを置いてカフェテラス風にするならば、観葉植物をいくつか飾るだけでおしゃれな空間に早変わり。

来客が多い人やホームパーティーをしたい人は、広めのサンルームを作って自然を感じられる、ちょっとした癒やし空間を作るのもおすすめです。屋根や壁があるので雨や風の影響を受けず、寒い冬場も温室代わりになるサンルームは、多くの植物にとって快適な空間となります。サンルームを植物用の温室にしている場合、冬越しが難しいとされている植物でも、弱らず元気に成長させている人も多いのです。

サンルーム増築のデメリット

寒暖差に弱い点が大きなデメリット

サンルームを検討しているならば、メリットだけでなくデメリットも知った上でじっくり検討しましょう。ここからは、サンルームを増築したときに感じるデメリットを三つ紹介します。施工方法や増築するサンルームによっては、デメリットにならないものもあるので、気になるデメリット部分は、業者と相談しながら検討する判断材料にしてください。

季節の影響を受けやすい

サンルームは、ひとつの部屋と捉えることもできますが、ガラスやポリカーボネートで覆われた空間であるため、一般的な住宅のように断熱材が使用されていません。そのため、外よりはマシとはいえど、夏は暑く、冬は寒いというデメリットがあります。できるだけ快適な空間にするためには、オプションで改善していくしかありません。

まず、夏の暑さを少しでも緩和したいなら、日よけを追加したり、屋根材を変えたりしましょう。屋根材は、太陽の熱を吸収してくれる熱線吸収がおすすめです。囲いもできるだけ断熱性の高いものにすると、夏の暑さと冬の寒さを和らげられます。素材の善し悪しは、専門的な知識がないと分かりにくいことも多いので、予算の範囲内でどれほど快適な空間にできるのか、業者に相談しながら決めるのがおすすめです。

汚れが目立ちやすい

サンルームは、透明のガラスやポリカーボネートで覆われているので、汚れが目立ちやすいことがデメリットとして挙げられます。指紋や手の脂はもちろん、外気にさらされているので、雨風での汚れも目立つのです。汚れを落とすには、こまめに掃除するしか方法はありませんが、手の届く範囲は掃除できても、天井部分のように高い場所の汚れは業者に依頼して落としてもらわなければならないこともあります。

定期的な掃除をしないと、光を通す壁や天井がくすんで、日光が十分に入ってこない暗い空間になる恐れも。基本的な掃除は、中性洗剤で窓やサッシを掃除するのと同じ方法です。最近では、汚れが付着しにくいサンルームの素材も販売されているので、施工業者に相談しながら決めましょう。

冬は結露しやすい

外気とサンルーム内の温度差が発生しやすい冬は、結露しやすくなります。洗濯物を干すスペースとしてサンルームを活用している場合は、結露すると洗濯物が乾きにくくなったり、結露が衣類について濡れてしまったりする恐れもあるのです。

結露の発生を極力抑えるには、換気扇や窓、ドアをつけるか、除湿機を設置して起動させておきましょう。換気扇は生活感が出て嫌という人や防犯上の観点から窓やドアはつけたくない人、1日中除湿機を回すのは電気代の面で心配という人は、空気を通すルーバータイプのサンルームを販売しているメーカーもあるので、結露対策を業者に相談しておくのがおすすめです。結露を防ぐだけで、冬場の洗濯物が格段に乾きやすくなります。

サンルームを増築する際の注意点

サンルームの増築は、業者に依頼すれば簡単に施工してもらえますが、いくつか注意しておきたいポイントもあります。知らずに増築すると固定資産税が大幅に上がったり、出幅によっては不動産登記の変更申請をおこなうために専門家への代行費用が必要となったりして、想像以上に費用がかさむこともあるのです。

ここからは、サンルームを増築リフォームすることでかかる税金のことや、どのような場合に申請が必要になるのかなど、細かいけれど重要な項目について解説します。優良な業者なら、事前に説明してくれることもありますが、知っておくとサンルームを依頼する際にも話がスムーズに進みますし、トラブルも起きにくいです。わかりやすくまとめて解説しますので、専門的なことは難しいから……と敬遠せず、しっかりと頭の片隅に置いておきましょう。

サンルームは課税対象

サンルームを庭の一部として考える人もいますが、実はサンルームも課税対象になります。不動産登記法で定められている「天井があり、3方向以上が壁やガラスなどで囲まれていて、床から一番高い天井までの高さが1.5m以上の部分」に該当しているためです。

簡単にいえば、サンルーム自体が「ひとつの部屋」とされているので、増築すれば当然固定資産税がかかるという話になります。ここで多くの人が気になるのは、いくらくらい税金が増えるのか?ということですが、家の評価額によって異なるので断定的な値段は分かりません。一般的な大きさのサンルームなら、1万〜2万円程度固定資産税が上がった方が多いようです。

施工面積によっては申請が必要になる

サンルームを増築リフォームする際は、建ぺい率を意識しておく必要があります。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことで、設定された建ぺい率を超えてしまうと違法とみなされてしまうのです。

違法の状態のままにしていると、地震保険や火災保険が必要なときに下りなくなってしまいます。建ぺい率は、素人では分かりにくいため、通常は業者が考慮する要素になります。10㎡以上のサンルームを増築する際や防火地域、準防火地域に1㎡以上のサンルームを増築するときには、建築確認申請が必要という決まりがあることだけでも覚えておいて、分からない部分を業者に質問するといいでしょう。

利用イメージを固めてから増築する

サンルームは、決して安い費用でできるものではありません。建ててから後悔しないためにも、綿密な計画は必須です。まず、何を目的としてサンルームを作るのかというイメージを固めておきましょう。サンルームは、アイデア次第でさまざまな使い方ができる部屋です。洗濯物を干したい、植物の温室に使いたい、子どもが遊べる場所にしたいと複数の案がある場合は、どれを重視するか決めておくことをおすすめします。

目的を明確にしておけば、必要なオプションが選べますし、ムダな支出を減らせるのです。あとになって「換気扇をつけておけばよかった」「物干しスペースが足りなかった」と後悔するリスクも減ります。家族みんなで話し合って考えを固めてから業者に相談すると、業者側もアドバイスしやすくスムーズです。

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