「GoTo東京追加」初の週末 長崎県内観光地 客足増に期待

県内外から観光客が訪れた長崎新地中華街=長崎市新地町

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」の対象に東京発着旅行が追加されて3日、初めての週末を迎えた。長崎県内の空港や観光地を訪れた旅行客は「楽しみたい」と笑顔。秋の行楽シーズンに入った観光地は、新型コロナウイルスの感染防止対策を取りながら、落ち込んだ客足の回復に期待を寄せる。

 大村市の長崎空港。「Go To」を利用して東京から一人旅で来た会社員、徳永尚美さん(50)は「お得に旅ができるので、1週間ほど前に予約した。大浦天主堂や高島、原爆関係の遺構を巡りたい。旅先ではマスクをして密を避けるよう気を付けながら楽しみたい」と笑顔を見せた。
 同空港2階土産物店の販売責任者、中瀬和也さん(33)は「旅行目的のお客さんは体感として増えており、地域共通クーポンも想定より多く使われている。4月以降、売り上げは例年の半分以下で推移していたため、今回の東京発着旅行の追加に期待したい」と話した。
 迎える観光地。長崎市新地町の長崎新地中華街で中華麺を製造する大坪正一さん(67)は「観光客が増えれば活気が出てくる。東京が加わることへの期待は大きいが、感染も気になる」と複雑な心境を口にした。同市曙町の稲佐山観光ホテルは、遠方客の呼び込みを念頭にテラス席を新設。3密を防ぎながら食事できるようにした。コロナ禍前に3~4割を占めていた関東圏の客はほぼ皆無になっていたが、ここ数週間で問い合わせが増えている。担当者は「これまでのマイナスをカバーできるように頑張っていきたい」。
 雲仙市の雲仙温泉街は例年、東京からの宿泊客が全体の約1割。東京追加後、都内客からの予約や問い合わせはまだ少ないという。現状は、客室に温泉風呂を備えた高価格帯の旅館・ホテルから宿泊予約が埋まり、年内の週末はほぼ満室の施設も。客室数が多い施設には、修学旅行の予約が入り始めている。
 この週末、客室の埋まり具合が約3割という同温泉街の宿泊施設の支配人は「東京からの客に限らず、(10月下旬からの)紅葉シーズンと11月の連休に合わせた宿泊に期待したい」と話した。

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