佐世保市の宿泊助成キャンペーン 今月まで期間延長

佐世保市の宿泊キャンペーンを紹介するホームページ

 新型コロナウイルスの経済対策として、長崎県佐世保市が宿泊料金の半額を助成するキャンペーンが苦戦している。8月限定の予定だったが、目標の半分にも届かず、9月まで延長することに。国の「Go To トラベル」事業との併用ができず“競合”したことなども背景にあるとみられる。
 キャンペーンは県民を対象に、宿泊施設の利用料金について1泊あたり半額(上限5千円)を助成する。6~7月に第1弾を実施。「8700泊以上」の目標に対し、約1万2千泊の利用があり好評だった。
 市は8月限定の第2弾を企画。目標を「1万2千泊以上」と設定し、予算6千万円を確保した。対象も九州在住者に広げる予定だったが、「第2波」の到来で九州でも感染者が急増。「県民限定」に戻した。ふたを開けてみれば8月の利用は約5千泊。目標の約4割にとどまった。
 第1弾は、県も県民に1泊5千円を助成。市の補助とダブルで相乗効果があった。ある市議は「前回は1人10万円の特別定額給付金があり、県内旅行の機運が高まった。感染拡大でそれがしぼんだ」とみる。
 一方、国は旅行代金の35%を割り引く「Go To トラベル」を展開。地方自治体が打ち出す経済対策との併用を認めているが、市は「多くの人に支援が行き届くようにしたい」とし同時に使えない仕組みとしている。ただ知名度の高い「Go To」に押され、利用が伸び悩んでいるとの見方も。市内のホテル経営者は「市の助成の方が割引額が多い場合でも自然とGo Toを選ぶ観光客はいる。市はもっとPRしていい」と話す。
 佐世保市はキャンペーンの再延長はしない方針。10月以降、宿泊や観光施設、飲食店などで使えるクーポン券の販売に切り替える。市観光課は「予算が余れば別の使い方に回る。キャンペーンを活用し、地元の宿泊施設を応援してほしい」と呼び掛けている。

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