「特殊詐欺 気を付けて」 祖父母らに手引手渡し 長崎署が作製、小中に配布

晏史君(右奥)と興君から手引を受け取る耕治さん(左)=長崎市茂木町

 「特殊詐欺に、気を付けてね」-。長崎署が特殊詐欺被害に遭わないための注意点などをまとめたオリジナルの手引を作製し、管内の公立小中学校の児童、生徒に配布している。自宅に持ち帰り、祖父母ら高齢者に手渡して注意喚起してもらう狙いだ。
 二つ折りにするとA4サイズの大きさ。表紙には最寄りの警察署の電話番号や、緊急時の連絡先を記入できるようにした。特殊詐欺の手口や災害対策の備品リストなどを掲載し、注意を呼び掛けている。これまでに、児童や生徒を通じて管内の約160世帯に配布した。
 6日は長崎市立茂木小3年の池山晏史(あんじ)君(9)と、弟で同小1年の興(おき)君(7)が、近くに住む祖父耕治さん(65)宅を訪問。2人は表紙に同署の電話番号などを記入した後、「おじいちゃん、詐欺でお金を盗まれないように気を付けてね」と声を掛けながら手引を手渡した。耕治さんは、「普段から気を付けているけれど、なおさら用心しないといけないと思う。固定電話の近くなど、すぐ手に取れるような場所に置いておきたい」と話した。
 同署によると、昨年、管内での特殊詐欺被害認知件数は4件(前年比1件増)、被害額は556万円(同2948万円減)。晏史君、興君に同行した橋口義彦矢上交番所長は「最近は警察官を名乗る不審電話などが相次いで発生している。手引を活用して、特殊詐欺や事故などに巻き込まれないようにしてほしい」と話した。

特殊詐欺被害防止などを目的に長崎署が作製した手引

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