イノシシがコンクリ舗装はがす 対馬の戦争遺構に被害

©株式会社長崎新聞社

イノシシの掘削被害に遭い、コンクリート舗装がはがれた第二砲座の砲床跡を示す対馬市教委文化財課職員=対馬市美津島町、姫神山砲台跡

 長崎県対馬市中部の美津島町緒方(おかた)にある明治時代の戦争遺構「姫神山砲台跡」(市指定文化財)の砲床跡が、イノシシによる掘削被害に遭ったことが25日分かった。市教委文化財課は「地中のミミズを食べようと掘ったのだろうが、コンクリート舗装部に達した被害は初めて。土の状態から、この数日のうちに掘ったのではないか」としている。
 同課によると姫神山砲台跡は旧日本陸軍が対馬海峡を望む姫神山(標高172メートル)山頂に築いた砲台跡で、1901年に完成。日露戦争が始まった04年、三つの砲座にそれぞれ2砲床(計6門)の28センチりゅう弾砲を整備。太平洋戦争が終わる45年までに廃止された。
 被害を受けたのは中央部にある第二砲座跡の周辺。3カ所のコンクリート舗装がはがされ、最も被害の大きな箇所は直径約3メートル、深さ約50センチにわたっており、円形の砲床跡も一部崩れていた。
 同日、砲台跡管理のため訪れた同課の担当者は「多くの観光客が訪れる場所であり被害状況を確認後、埋め戻し安全を確保したい」と話した。